行楽シーズンを迎え、子育ての出費が気になる季節です。総務省が2026年8月7日に公表した家計調査(家計収支編)によると、2026年6月の消費支出は二人以上の世帯で1か月29万886円(前年同月比で実質3.3%の減少)でした。出産や保育で出費が重なる子育て初期の世帯ほど、家計のやりくりに敏感になる時期です。

30〜40歳代の子育て初期は、支出が一気に増える一方、貯蓄の「土台」をつくる大切な時期でもあります。ここで家計の骨組みを整えておくと、その後がぐっと楽になります。

この記事では、30〜40歳代・二人以上世帯の平均と中央値を確認し、子育て初期に家計の土台をつくる方法を、元証券会社員の視点でみていきます。

齊藤 慧

子育てが始まる時期は「出費が増えて貯められない」という声が多く聞かれます。しかし、この時期に家計の骨組みを整えておけば、その後の生活を長く支える強力な土台になります。まずは同世代の貯蓄額を参考に、無理のない家計の土台づくりに向けた第一歩を踏み出してみましょう。

1. 【30〜40歳代二人以上世帯の平均貯蓄額】中央値はいくらか?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、二人以上世帯の金融資産保有額は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 30歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

  • 30歳代二人以上世帯:平均1096万円/中央値311万円

住宅の取得や出産が重なり、支出も貯蓄もこれから動く時期です。

1.2 40歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

  • 40歳代二人以上世帯:平均1486万円/中央値500万円

中央値は311万円から500万円へ。土台を整えた世帯から、着実に伸びていきます。

1.3 金額帯でみる、子育て世代の蓄え

「1000万円未満」の世帯は、30歳代で71.6%、40歳代で60.5%を占めます。子育て初期は支出が重なるぶん、多くの世帯の蓄えがこれからの段階にあります。

40歳代にかけて割合が下がるのは、早めに土台を整えた世帯から蓄えが積み上がっていくためです。骨組みづくりが、その後の差を生みます。

齊藤 慧
大切なのは、今の生活を切り詰めて無理に貯めることよりも、今後も崩れない家計の骨組みをつくることです。次のページでは、そのための「子育て初期の土台づくり」の具体的なステップをみていきましょう。