転勤の話が出たとき、まず気になるのは引っ越し先の暮らしと、そこにかかるお金ではないでしょうか。
人事院は令和8年8月7日、国家公務員の給与について国会と内閣に勧告を行いました。そのなかで、転居をともなう転勤をした職員に支給する「転居に関する手当」の新設が示されています。
この記事では、令和9年4月の施行が示されたこの手当について、対象になる職員と距離区分ごとの支給額を見ていきましょう。
1. 転居をともなう転勤をした国家公務員に支給される「転居に関する手当」とは
はじめに、令和9年4月の施行が示された転居に関する手当が、どのような手当なのかを確認します。
1.1 単身赴任かどうかを問わず支給される
人事院の川本総裁は勧告日の記者会見で、転勤にともなう経済的な負担を軽くするために転居手当を新設すると説明しました。
対象は、単身赴任者であるかどうかにかかわらず、転居をともなう転勤をする職員全員とされています。
これまで転勤にかかわる手当は単身赴任者向けという印象がありましたが、家族と一緒に引っ越す職員や独身の職員も含まれる形です。
1.2 支給されるのは異動から3年間
同じ記者会見で、この手当は異動から3年間支給されると説明されています。
転勤のたびに支給が始まり、3年で区切られることになります。
なお、人事院勧告は国会と内閣に対して行われるもので、実際の給与は今後の給与法の改正で決まります。現時点で確定した制度ではない点には注意が必要です。
2. 距離区分で決まる転居に関する手当の月額
転居に関する手当の額は、異動の前後で住居がどれだけ離れたかによって決まります。人事院勧告の別表第7に、距離区分ごとの月額が示されています。
2.1 単身赴任手当の基礎額が支給される職員の場合
別表第7は、職員を「単身赴任手当の基礎額が支給される者」と「上記以外の者」の2つに分けています。
単身赴任手当の基礎額が支給される職員は、60キロメートル以上100キロメートル未満の転居で月1万1000円です。
300キロメートル以上500キロメートル未満では月3万円、いちばん遠い2500キロメートル以上では月10万5000円になります。
2.2 それ以外の職員の場合
家族と一緒に転居した職員や、単身で赴任していない職員は、同じ距離区分でも額が変わります。
60キロメートル以上100キロメートル未満で月6000円、300キロメートル以上500キロメートル未満で月1万3000円です。
2500キロメートル以上でも月4万3000円で、単身赴任手当の基礎額が支給される職員の半分に届きません。
3. 距離が延びるほど、職員の区分による差は広がる
同じ距離でも、職員の区分によって支給額に差があります。この差が距離とともにどう変わるのかを見ていきます。
60キロメートル以上100キロメートル未満では1万1000円と6000円で、差は月5000円です。
300キロメートル以上500キロメートル未満になると3万円と1万3000円になり、差は月1万7000円に広がります。
1300キロメートル以上1500キロメートル未満では7万8000円と3万3000円で差は月4万5000円、2500キロメートル以上では10万5000円と4万3000円で差は月6万2000円です。
遠くへ動くほど、単身赴任かどうかが手当の額を大きく左右する形になっています。
転勤の話が出ると、まず引っ越し費用に目が向きます。役場で保険料の計算を担当していた頃も、住所が変わったあとのお金について窓口で尋ねられることがありました。手当の額とあわせて、住民票をいつ動かすかも早めに確かめておくと安心です。
