定年を迎える年齢が近づくと、周りの世帯がどのくらい貯蓄を持っているのかが気になるところではないでしょうか。

総務省統計局が2026年5月19日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯の平均貯蓄は2494万円で、前年から66万円減りました。6年ぶりの減少です。

この記事では、65歳以上の世帯の貯蓄がどのくらいあるのかを確認したうえで、無職世帯の貯蓄が何によって減ったのかを見ていきます。

1. 65歳以上の世帯の平均貯蓄額「2500万円以上」3分の1に

まずは二人以上の世帯のうち、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄を見ていきましょう。この層は二人以上の世帯全体の42.9%を占めています。

貯蓄現在高の階級別に世帯の分布を見ると、2500万円以上の世帯が36.3%で、約3分の1を占めていました。

一方で300万円未満の世帯も14.9%あります。同じ65歳以上でも、持っている額には大きな幅があるということです。

平均値と中央値は次のとおりでした。

  • 平均値:2564万円
  • 貯蓄保有世帯の中央値:1777万円

二人以上の世帯全体では平均2059万円、中央値1264万円です。世帯主が65歳以上の世帯は、平均で505万円、中央値で513万円ほど多い水準になります。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄を、二人以上の世帯全体と並べた比較1/2

世帯主が65歳以上の世帯と二人以上の世帯全体について、平均値と中央値、2500万円以上と300万円未満の割合を並べた表

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にLIMO編集部作成

なお中央値は、貯蓄現在高が0の世帯を除いた世帯を少ない順に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の額です。平均値は多く持っている世帯に引き上げられるため、実感に近いのは中央値のほうになります。

2. 65歳以上「無職世帯」の平均貯蓄はどれくらいあるのか

前章で見たのは、働いている世帯を含む65歳以上の世帯全体です。ここからは無職世帯に絞って確認しましょう。

二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯は、二人以上の世帯全体の32.0%を占めています。

2.1 【無職世帯】世帯主が65歳以上の貯蓄額

この層の1世帯当たり貯蓄現在高は2494万円でした。前年に比べて66万円、2.6%の減少で、6年ぶりの減少となっています。

貯蓄の種類別に見ると、内訳は次のとおりです。

  • 定期性預貯金:778万円
  • 通貨性預貯金:766万円
  • 有価証券:510万円
  • 生命保険など:426万円
  • 金融機関外:13万円

前年と比べると、定期性預貯金が81万円・9.4%の減少、通貨性預貯金が35万円・4.4%の減少でした。減ったのは預貯金の側です。

反対に有価証券は510万円で1.8%の増加、生命保険などは426万円で前年から32万円増えています。

65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別内訳を、2024年と2025年で並べた比較2/2

世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄について、通貨性預貯金と定期性預貯金、生命保険、有価証券の内訳を2024年と2025年で比べた積み上げ棒グラフ

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にLIMO編集部作成

貯蓄の総額が減った一方で、預貯金以外の割合は上がっていることになります。

太田 彩子

元自治体職員として後期高齢者医療の保険料を計算していた頃は、退職して所得が下がった次の年に保険料も下がることを説明する場面がよくありました。

働き方が変わると手元に残るお金も変わるため、退職の時期は家計全体で見ておく必要があると感じていました。