「人生100年時代」といわれますが、実際に100歳まで過ごすとしたらいくら必要なのかは、なかなか見えにくいものです。
厚生労働省の令和7年簡易生命表によると、平均寿命は男性81.35年、女性87.33年でした。65歳の平均余命は男性19.68年、女性24.52年で、いずれも前年を上回っています。
この記事では、家計調査の最新データをもとに、年金に頼らず65歳から100歳まで過ごす場合に必要な金額を早見表で確認します。
1. 夫婦とひとりで100歳まで生きる場合に必要な貯蓄額はいくらか
まずは総務省「家計調査年報(家計収支編)2025年」のデータをもとに、100歳まで生きるとしたらどのくらいの貯蓄が必要になるかを試算します。
1.1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出額はいくらか
「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 2025年」によれば、平均的な毎月の支出は次のとおりです。
- 平均的な消費支出:26万3979円
- 平均的な非消費支出:3万2850円
平均支出の合計額は29万6829円となり、年間にすると約356万円です。
もし年金に頼らず65歳から100歳まで過ごすとすれば、必要となる老後資金は次のとおりです。
1.2 「夫婦で100歳まで生きる」ために必要な老後資金の早見表
- 65〜70歳:約1780万円
- 65〜75歳:約3560万円
- 65〜80歳:約5340万円
- 65〜85歳:約7120万円
- 65〜90歳:約8900万円
- 65〜95歳:約1億690万円
- 65〜100歳:約1億2470万円
次は、ひとり暮らしの場合を見ていきましょう。
1.3 65歳以上のおひとりさま無職世帯の支出はいくらか
「65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 2025年」によれば、平均的な毎月の支出は次のとおりです。
- 平均的な消費支出:14万8445円
- 平均的な非消費支出:1万2990円
平均支出の合計額は16万1435円となり、年間では約194万円が必要になります。
1.4 「単身で100歳まで生きる」ために必要な老後資金の早見表
- 65〜70歳:約970万円
- 65〜75歳:約1940万円
- 65〜80歳:約2910万円
- 65〜85歳:約3870万円
- 65〜90歳:約4840万円
- 65〜95歳:約5810万円
- 65〜100歳:約6780万円
65歳以上の夫婦のみの世帯が、1年間の生活費約356万円で100歳まで過ごす場合に必要となる老後資金は約1億2470万円です。
一方、65歳以上のおひとりさまが、1年間の生活費約194万円で100歳まで過ごすのであれば、必要な老後資金は約6780万円になります。
なお、参考にした家計調査の注意点として、対象になっているのが持ち家世帯を多く含むため、家賃の割合は低くなっています。
賃貸にお住まいの方であれば、上記よりもさらに多くの老後資金が必要になります。
ただし実際には、私たちは国民年金や厚生年金に加入しています。そのため、上記の金額をすべて65歳までに準備する必要はありません。
2. 65歳以上になったらもらう公的年金の平均年金月額はいくらか
国から支払われる老齢年金には、個人事業主などが加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」があります。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、平均年金月額は次のとおりです。
- 厚生年金保険(第1号)の平均年金月額:15万289円(基礎年金含む)
- 国民年金の平均年金月額:5万9310円
仮に、それぞれの年金を65歳から100歳まで受け取ることになれば、次の金額が年金収入として準備できます。
- 厚生年金保険:15万289円×12か月×35年=約6310万円
- 国民年金:5万9310円×12か月×35年=約2490万円
100歳までに必要な額のうち、年金でどこまで賄えるか2/3
出所:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年(令和7年)結果の概要」、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
2.1 「夫婦で100歳まで生きる」とき不足する老後資金
夫婦世帯のうち、夫が厚生年金を約6310万円、妻が国民年金を約2490万円受け取れば、合計約8800万円が年金で準備できます。
100歳まで過ごすために必要な約1億2470万円に対して、約3660万円が不足する計算です。
一方、夫婦共働き世帯でそれぞれが約6310万円の年金を受け取るとすれば、合計約1億2620万円となり、必要な約1億2470万円は年金で賄える計算になります。
2.2 「単身で100歳まで生きる」とき不足する老後資金
おひとりさまが会社員や公務員であれば、厚生年金で約6310万円が準備できます。必要な約6780万円に対して、約470万円の不足です。
一方、おひとりさま世帯が個人事業主であれば、国民年金の約2490万円しか準備できません。必要な約6780万円に対して、約4290万円が不足することになります。
老後に必要な金額の大きさだけが独り歩きしがちです。まず年金でどこまで届くのかを出してから、残りをどう埋めるかを考える順番が向いています。
