人事院は令和8年8月7日、国家公務員の給与に関する勧告を行いました。
民間との較差は月1万5056円で、率にすると3.51%です。ボーナスにあたる期末手当・勤勉手当も0.05月分の引上げが示されています。
公務員の給与は民間に合わせて決まる仕組みです。この記事では、勧告に載っている数字を追いながら、民間とどこがどれだけ違うのかを確認していきます。
1. 国家公務員と民間の差は月1万5056円
まず、勧告の土台になる較差から見ていきます。
1.1 民間44万3507円に対し国家公務員42万8451円
人事院の令和8年人事院勧告によると、民間給与は月44万3507円、国家公務員給与は月42万8451円でした。差額は1万5056円です。
いずれも本年度の新規学卒の採用者を含まない数字です。国家公務員の側は行政職俸給表(一)が適用される職員のもので、適用人員は13万9564人、平均年齢は41.7歳です。
1.2 較差の率は3.51%
1万5056円を国家公務員給与42万8451円で割ると3.51%になります。この率が本年の改定の基礎になります。
人事院はこの較差を、いわゆるベースアップに相当するものと位置づけています。モデル試算した定期昇給分を加えると、月収では約4.9%の給与改善になるとしています。
1万5056円の内訳は、俸給1万1179円、広域異動手当2376円、俸給の改定による諸手当の増減であるはね返り分1501円です。
公務員の給与は民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本に勧告されるため、まず民間の実態を調べ、そのうえで差を埋める形が取られています。
1.3 平均給与月額は前年より1万3971円増えている
行政職俸給表(一)が適用される職員の平均給与月額は、令和8年4月時点で42万8451円、令和7年4月時点では41万4480円でした。1年で1万3971円増えたことになります。
それでも民間との間には1万5056円の差が残っている、というのが今回の勧告の出発点です。
2. 国家公務員のボーナスは4.65月から4.70月へ
次に、期末手当・勤勉手当の月数を見ておきます。
2.1 民間の特別給は年間平均4.72月分
人事院の調査によると、民間における特別給の支給割合は年間の平均で4.72月分でした。国家公務員の人員構成に合わせて求めた数字です。
ここでいう特別給が、一般に言うボーナスにあたります。
2.2 改定は0.05月単位で行われる
一方、国家公務員の現行の年間支給月数は平均で4.65月です。民間の4.72月分より0.07月分低い水準にあります。
勧告では、これを4.70月に引き上げる内容が示されました。引上げ幅は0.05月分で、差の0.07月分がそのまま埋まるわけではありません。
人事院は、民間の支給割合と国家公務員の平均支給月数を比較したうえで、0.05月単位で改定を行うとしています。刻みが0.05月なので、0.07月分の差に対しては0.05月分の引上げになります。
引上げ分は、期末手当と勤勉手当に0.025月分ずつ均等に配分されます。
2.3 民間は上半期と下半期で違う
民間の支給割合は、事務・技術等従業員で下半期2.21月分、上半期2.51月分でした。技能・労務等従業員はどちらも1.99月分です。
ここでいう下半期は令和7年8月から令和8年1月まで、上半期は同年2月から7月までを指します。事務・技術等従業員の特別給の支給額は、下半期92万6485円、上半期108万2479円でした。
