4. 値上げだけではない。7種類の生地をリニューアル

今回の発表でもうひとつ注目したいのが、価格改定と同時に主力商品のリニューアルを行うことです。

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出所:株式会社ダスキン

出所:株式会社ダスキン

ミスタードーナツは9月30日から、以下の7種類のドーナツ生地をリニューアルします。

  • ポン・デ・リング生地
  • チュロ生地
  • オールドファッション生地
  • フレンチクルーラー生地
  • チョコレート生地
  • イーストリング生地
  • イーストシェル生地

ポン・デ・リング生地は、特徴であるもちもちとした食感を維持しながら風味を改良し、グレーズやトッピングとの相性を高めます。

オールドファッション生地はサクサク感やくちどけ、香ばしさを向上。フレンチクルーラー生地は軽さやくちどけ、卵のコクを高めます。

チョコレート生地はミルクチョコの風味やコクを、イーストリング生地はふんわりとした食感やくちどけ、風味を高める方向で改良します。

ハニーディップなどに使われるイーストリング生地もリニューアル対象です。

今回の発表では、価格改定と商品リニューアルを同時に実施することで、コスト上昇への対応だけでなく、主力商品の「おいしさ」をさらに追求する姿勢を打ち出しています。

ミスタードーナツでは、2024年にもポン・デ・リングやオールドファッション、フレンチクルーラー、イーストリングなどの生地をリニューアルしています。

消費者にとっては「10円値上げ」という負担増だけを見るのではなく、その10円に対して商品がどう変わるのかを見ることも、今回の改定を考えるポイントになりそうです。

5. トレンドウォッチャーのひとこと

大蔵 大輔

ミスタードーナツの今回の値上げは、2016年に108円だったポン・デ・リングが183円になるという数字を見ると、かなり大きな変化です。10年間で75円、約69%の上昇となります。

ただ、価格の歴史を見ると、ずっと値上げが続いていたわけではありません。2016年には一度100円まで値下げされ、その後に原材料費や物流費などの上昇を背景として段階的な値上げが続きました。

今回の特徴は、価格改定と商品のリニューアルを同時に行うことです。

ミスタードーナツは、創業時から続くドーナツの系譜を残しながら、ポン・デ・リングのような新しい看板商品も育ててきました。今回も主力7種類の生地を見直し、定番商品の食感や風味を改良します。

外食や食品の値上げが珍しくなくなった現在、消費者が見るのは価格だけではありません。「高くなったけれど、それでも食べたい」と思えるかどうかが、ロングセラー商品の価値を左右します。

1971年に40円だったドーナツは、55年を経て183円になりました。価格だけを見れば大きな変化ですが、今回のリニューアルによって、ミスタードーナツが183円という価格にどのような商品価値を持たせるのか。9月30日以降は、実際の味や食感の変化にも注目したいところです。

参考資料

大蔵 大輔