会社員に扶養されている配偶者は第3号被保険者で、保険料の自己負担はありません。
ただし配偶者が退職したり、自分の年収が増えて被扶養者から外れたりしたときは、第1号被保険者への切り替えの届出が必要です。
この届出が2年以上遅れると、2年より前の期間は保険料を納められず未納期間になります。平成25年6月の法改正で、特定期間該当届という救済の仕組みが設けられました。
この記事では、この手続きで何が変わるのかを確認したうえで、2026年度の年金額と受給権者の平均月額を見ていきます。
1. 3号から1号への切り替えが2年以上遅れたときの手続き
第3号被保険者である間は、保険料を納める必要がありません。
ただしこの立場が変わったときは、届出をして保険料を納める必要が出てきます。
1.1 届出が必要になるのはどんなときか
きっかけは身近なところにあります。
日本年金機構は、配偶者が退職したとき、脱サラして自営業を始めたとき、65歳を超えたとき、亡くなったときを挙げています。離婚した場合も同じです。
自分の年収が増えて配偶者の健康保険証の被扶養者から外れたときも届出が必要です。妻が会社員で夫が専業主夫の場合も、扱いは変わりません。
1.2 2年以上遅れると未納期間になる
遅れの影響は期間の長さで変わります。
この届出が2年以上遅れた場合、2年より前の期間は保険料を納付することができないため、未納期間が発生します。
平成25年6月に年金の法律が改正され、こうした方が特定期間該当届を提出すれば、未納期間を年金を受け取るための受給資格期間に算入できるようになりました。平成25年7月1日から受付が始まっています。
1.3 特定期間は資格期間になるが、年金額は増えない
手続きの効果には範囲があります。
この受給資格期間は、老齢年金を受給するために必要な加入月数である原則10年、120月には算入されます。
一方で、老齢基礎年金の年金額には反映されません。あくまで受け取る権利を確保するための算入です。
ただし障害・遺族基礎年金については、加入期間の3分の2以上が保険料を納めている期間などであることが要件になります。未納期間が特定期間になれば、万一のときの受給権確保にもつながります。
なお障害基礎年金には、初診日が令和18年3月末日までで初診日に65歳未満であれば、初診日のある月の前々月までの直近1年間に未納がなければ要件を満たすという特例もあります。
1.4 手続きが遅れるとどうなるか
放置すると不利になります。
日本年金機構は、問い合わせが遅れると65歳以上の方は年金の受け取りも遅れ、65歳未満の方は障害・遺族年金を受け取れないおそれがあるとしています。
提出先は最寄りの年金事務所です。市区町村では取り扱っていません。
提出すると日本年金機構から特定期間該当届受理通知書が送付されます。未納期間が受給資格期間に算入されるのは、手続きした日以降です。
なお、公的年金の仕組みや2026年度の年金額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
2. 公的年金の1階と2階、その関係
公的年金の基本的な仕組みの詳細は、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引いて確かめます。
公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。これは、日本の年金制度が「1階」の国民年金(基礎年金)と、「2階」の厚生年金という2つの制度で構成されているためです。1階部分の国民年金は、原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、保険料は所得にかかわらず一律(2026年度は月額1万7920円)。保険料を40年間(480か月)すべて納付すると、満額(2026年度は月額7万608円)を受け取ることができます。2階部分の厚生年金は、会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所に勤務し一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します。保険料は収入に応じて変動し、受給額は加入していた期間や納付した保険料額によって個人差が生じます。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説


