4. 遺族厚生年金の短期要件のうち1と2には保険料納付要件がある
短期要件にあたれば必ず遺族厚生年金が支給されるわけではありません。
日本年金機構は、1および2の要件については、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要だと説明しています。
ただし、ここには特例があります。死亡日が令和18年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
3分の2という原則だけを見て諦めてしまわないよう、この特例もあわせて確かめておきたいところです。
5. 65歳以上で自分の老齢厚生年金がある場合、遺族厚生年金は2つの額を比べて高いほうになる
300月みなしを適用して額が決まっても、そこで終わりではない場合があります。
65歳以上で老齢厚生(退職共済)年金を受け取る権利がある方が、配偶者の死亡による遺族厚生年金を受け取るときの扱いです。
日本年金機構は、「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と、「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高いほうの額が遺族厚生年金の額になると説明しています。
自分自身の老齢厚生年金が大きいほど、後者の式で計算した額のほうが高くなりやすくなります。
6. 報酬比例部分の目安は「ねんきん定期便」で確かめられる
遺族厚生年金の額は報酬比例部分から決まるため、その報酬比例部分がどのくらいかを知っておくと見通しが立てやすくなります。
毎年届く「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に応じた年金額や、加入期間の月数が記載されています。50歳以上の方には老齢年金の見込額が示されます。
日本年金機構のねんきんネットでも、同じ内容を画面で確認できます。
夫婦それぞれの加入期間と見込額を一度そろえて見ておくと、どちらかに万一のことがあったときの話をしやすくなります。
7. 遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3。300月みなしは短期要件のときだけ
遺族厚生年金の額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。受給要件の1から3にもとづく場合は、厚生年金の被保険者期間が300月未満でも300月とみなして計算します。
被保険者期間が120月だった場合、月数でみれば2.5倍として扱われることになります。一方、老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡した長期要件では、実際の被保険者期間で計算します。
短期要件の1と2には保険料納付要件があり、令和18年3月末日までの死亡には直近1年間の特例もあります。どの要件にあたるかで前提が変わるので、請求の前に年金事務所で確かめておくとよいでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- 日本年金機構「遺族年金(受給要件・対象者・年金額)」