モスフードサービス<8153>の株価は8日、前日比65円高(+1.68%)の3,930円で取引を終えました。
この日は日経平均株価が1,000円を超える大幅な下げとなるなど東京市場全体が軟調な値動きとなりましたが、同社株は底堅く推移しています。
個人投資家の間では9月30日が権利確定日となる銘柄への関心が高まる時期を迎えています。3月決算企業では中間期の配当や株主優待がもらえる銘柄が多く、モスフードサービスもその一つです。
同社は8月7日、2027年3月期第1四半期決算を発表しており、稼ぎ頭である国内モスバーガー事業の動向が業績を大きく左右していることが改めて浮き彫りになりました。
1. 最新決算からひも解く企業の強み
8月7日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月期累計)の連結決算は、売上高246億3,600万円(前年同期比+3.6%)、営業利益8億1,100万円(同▲52.9%)、経常利益8億9,300万円(同▲49.7%)、純利益5億8,300万円(同▲53.8%)となりました。
通期予想(売上高1,100億円、営業利益57億5,000万円、経常利益57億円、純利益36億円)に対する進捗率は、売上高が22.4%である一方、営業利益14.1%、経常利益15.7%、純利益16.2%にとどまっており、利益面はやや低調な滑り出しです。
主力の国内モスバーガー事業では、原材料費の高騰などを背景にセグメント利益(営業利益)が15億4,400万円(前年同期比▲26.4%)となり、全社の営業利益を押し下げました。もっとも、既存店の売上高・客数・客単価はいずれも前年同期を上回っており、既存店の基盤強化そのものは着実に進んでいるようです。
一方、前期(2026年3月期、2026年5月15日発表)の通期決算は増収増益で、売上高1,027億7,300万円(+6.8%)、営業利益65億6,100万円(+25.6%)、経常利益71億700万円(+27.6%)、純利益45億8,700万円(+45.6%)と好調でした。今期1Qの減益は、この反動という側面もありそうです。
2. 稼ぎ頭「国内モスバーガー事業」を最新決算からひも解く
前期(2026年3月期)の売上高構成比をみると、国内モスバーガー事業が全体の81.7%を占め、営業利益も78億7,600万円(前期比+22.9%)と、同社の稼ぎ頭であることは数字の上でも明らかです。海外事業(売上高154億7,700万円、営業利益3億2,800万円)、その他飲食事業(売上高20億1,500万円、営業損失2億1,000万円)と比べても、収益への貢献度は突出しています。
同社は、国内モスバーガー事業について「価格のグラデーション化戦略」(幅広い価格帯のメニューを揃え、消費の二極化に対応する取り組み)と「時間帯別売上の平準化」を、前年度に続き推進したと説明しています。
あわせて、在庫回転率の向上や物流の効率化、販管費の抑制といった多角的なコスト抑制策も実行しており、これらが前期の増益を支えた形です。
2.1 8月の国内モスバーガー店舗(既存店)の実績は既存店売上高が前年同月比3.8%増
この既存店の底堅さは、四半期決算後に公表されている月次データでも確認できます。
7日に公表した8月の国内モスバーガー店舗(既存店)の実績は、売上高が前年同月比+3.9%、客数+0.3%、客単価+3.6%となり、全店売上高も+3.5%でした。2026年4〜8月の累計でも既存店売上高+3.8%、既存店客数+2.2%、既存店客単価+1.6%、全店売上高+3.2%と、いずれも前年を上回る水準を保っています。
原材料費高騰で1Q決算の利益面は伸び悩んだ一方、既存店ベースの動きそのものは8月時点でも底堅く推移していることがうかがえます。
海外事業は409店舗(2026年3月末時点)を展開していますが、前期は既存進出国の課題解決を優先する方針のもと、売上高が前期比▲6.8%、営業利益も▲32.5%と苦戦しました。その他飲食事業(マザーリーフなど)も営業損失が続いており、当面は国内モスバーガー事業が業績のけん引役であり続けそうです。