3. 同じ東京都に1級地から3級地まである

遠い地域どうしの話ではありません。ひとつの都県のなかでも分かれます。

3.1 練馬区と大田区は1級地

練馬区は均等割が課税されない基準を「35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+10万円+21万円」としています。大田区も同じ式で、単身は45万円です。

23区はいずれも1級地にあたります。

3.2 あきる野市は2級地

あきる野市は「31万5000円×(同一生計配偶者及び扶養親族の合計数+1)+10万円+18万9000円」としています。単身は41万5000円です。

同市は令和8年度からの早見表として、単身の給与収入106万5000円、年金収入は65歳未満101万5000円・65歳以上151万5000円を公表しています。柏市の数字と一致します。

3.3 奥多摩町は3級地

奥多摩町は「28万円+10万円」(扶養親族のいない人)としています。単身は38万円で、練馬区より7万円低い水準です。

同じ東京都に住んでいても、区部と山間部では非課税になる線が違うということになります。

4. 級地は自治体の計算式で見分けられる

自分がどの級地に住んでいるかを調べる方法もあります。

4.1 係数が35万円・31万5000円・28万円のどれか

住んでいる市区町村のホームページで「住民税が課税されない方」のページを開き、均等割の計算式を見ます。人数に掛ける金額が35万円なら1級地、31万5000円なら2級地、28万円なら3級地です。

級地区分の一覧を別に調べなくても、この1か所で判別できます。

4.2 給与収入なら単身110万円・106万5000円・103万円

給与収入だけの場合も同じように分かれます。単身では神戸市が110万円、柏市が106万5000円、真岡市が103万円です。

いずれも合計所得の線に給与所得控除の最低保障額65万円(2025年(令和7年)分)を足した額になっています。なお、この最低保障額は令和9年度分の個人住民税から74万円に引き上げられる予定ですので、給与収入の線はその分だけ上がります。

5. 所得割の線は全国で同じ

級地で変わるのは均等割のほうです。

5.1 所得割は35万円で共通

所得割が課税されない基準は、真岡市も「35万円×(本人+同一生計配偶者・扶養親族の人数)+10万円+32万円」で、神戸市や練馬区と同じ係数です。奥多摩町も35万円を使っています。

単身であれば全国どこでも45万円が線になります。

5.2 3級地には均等割だけ課税される帯がある

3級地では、均等割の線が38万円、所得割の線が45万円ですので、その間の7万円分は均等割だけがかかる帯になります。

1級地ではどちらも45万円で重なるため、この帯は生じません。世帯としての「非課税」を判定するときに効いてくる違いです。

6. 確かめておきたい3つのこと

自分の線を知るための手立てをまとめます。

6.1 市区町村のページで計算式の係数を見る

「住民税が課税されない方」のページに均等割の計算式が載っています。人数に掛ける金額を見れば、級地区分と自分の線が同時に分かります。

6.2 扶養親族の数を数える

扶養親族がいると加算額が付き、その加算額も級地で違います(21万円・18万9000円・17万円)。16歳未満の子どもも扶養親族数に含めて数えます。

6.3 引っ越しの前後で線が変わることを知っておく

住民税は1月1日に住所のある市区町村が課税します。級地の違う地域へ引っ越すと、翌年度から線が変わることになります。

判定は前年の所得で市区町村が行います。自分の場合の判定は、住んでいる市区町村の窓口で確認できます。

7. 155万円は1級地の数字

住民税の均等割が課税されない基準は級地区分で分かれ、計算式の係数は1級地が35万円、2級地が31万5000円、3級地が28万円です。単身の合計所得では45万円・41万5000円・38万円になります。

65歳以上で年金収入だけの場合、神戸市は155万円、柏市は151万5000円、真岡市は148万円です。扶養1人では211万円・201万9000円・193万円で、差は18万円に広がります。

同じ東京都でも練馬区は1級地、あきる野市は2級地、奥多摩町は3級地です。155万円という数字を当てはめる前に、住んでいる市区町村の計算式を一度見てみてください。

参考資料

中本 智恵