住民税が非課税になる年金収入の目安として、65歳以上の単身なら155万円という数字がよく知られています。

ただ、この155万円はどこに住んでいても同じというわけではありません。市区町村の級地区分によって線が変わり、3級地なら148万円です。

この記事では、実際に自治体が公表している数字を級地ごとに並べて確認していきます。

1. 非課税の線は市区町村で違う

まず、なぜ差が出るのかから見ていきます。

1.1 計算式の係数が3つに分かれる

均等割が課税されない基準は、市区町村ごとに条例で決まっています。計算式の形は同じですが、掛ける金額が級地区分によって1級地は35万円、2級地は31万5000円、3級地は28万円に分かれます。

この係数の違いが、そのまま非課税の線の差になります。

1.2 1級地の神戸市は単身で合計所得45万円

神戸市は、均等割が課税されない基準を「35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+10万円+21万円」としています。1級地の式です。

単身の場合は35万円に10万円を足した45万円が線になります。東京都の練馬区や大田区も同じ45万円です。

1.3 3級地の真岡市は単身で38万円

栃木県の真岡市は「28万円×(本人+同一生計配偶者・扶養親族の人数)+10万円+17万円」としています。3級地の式です。

単身は28万円に10万円を足した38万円で、神戸市より7万円低くなります。千葉県の柏市は2級地で、単身は41万5000円です。

均等割が課税されない合計所得の線は級地区分で変わります1/2

均等割が課税されない合計所得の基準を1級地・2級地・3級地の自治体別に比較した表

出所:神戸市「個人市民税・県民税」柏市「令和8年度以降、個人住民税がかからないかた(非課税)」および真岡市「住民税が非課税となる方」をもとにLIMO編集部作成

2. 年金収入に直すと単身で7万円、扶養1人で18万円の差

次に、年金収入に置き換えて見ていきます。

2.1 単身は155万円・151万5000円・148万円

65歳以上で年金収入だけの場合、神戸市は155万円以下、柏市は151万5000円以下、真岡市は148万円以下が均等割の非課税になる目安です。

いずれも各市が公表している早見表の数字です。1級地と3級地で7万円の差があります。

2.2 扶養1人では211万円と193万円

扶養親族が1人いる場合は差が広がります。神戸市は211万円以下、柏市は201万9000円以下、真岡市は193万円以下です。

1級地と3級地では18万円の開きになります。夫婦2人で暮らす世帯では、住む場所によってこれだけ線が動きます。

2.3 「211万円の壁」も1級地の数字

年金世帯の話でよく出てくる155万円や211万円は、いずれも1級地の数字です。

全国どこでも同じ線だと思って計算すると、2級地や3級地にお住まいの方は実際より高く見積もることになります。

中本 智恵
級地区分は聞き慣れない言葉ですが、自分の市区町村のページを開けば計算式の数字ですぐ分かります。155万円で合っているかどうかを、まずそこで確かめてみてください。住民税非課税世帯の収入基準と優遇制度もあわせて見ておくと、線を知る意味がつかみやすくなります。