ゼンショーホールディングス<7550>の株価は7日、前日比▲260円(▲2.17%)の11,695円で取引を終えました。
東京株式市場はAI・半導体関連銘柄が全体をけん引する流れで、同社株を含む外食や小売り、エンタメ関連銘柄はやや軟調な値動きとなりました。
もっとも同社が8月7日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)決算は、売上高・営業利益・経常利益・純利益がそろって2ケタ増となる大幅増収増益でした。
折しも個人投資家の間では、9月末が権利確定日となる株主優待銘柄への関心が高まる時期です。
3月決算企業の多くがこの時期に中間期を迎え、配当や株主優待がもらえる銘柄が並びます。ゼンショーもその一角で、100株以上の保有で年2回、株主優待食事割引券を進呈する制度を用意しています。
そこで本記事では、最新決算からグループの稼ぎ頭となっているセグメントをひも解きつつ、9月末権利確定の株主優待の内容を確認していきます。
1. 最新決算からひも解く企業の強み
ゼンショーホールディングスが8月7日に発表した2027年3月期第1四半期の連結決算は、次の通りとなりました。
- 売上高:3,248億800万円(前年同期比+16.8%)
- 営業利益:248億1,500万円(同+57.5%)
- 経常利益:237億6,200万円(同+52.6%)
- 四半期純利益:151億7,200万円(同+89.2%)
同社はまた、決算発表と同日に通期(2027年3月期)の業績予想を修正しています。
5月12日公表の従来予想と比べると、売上高は1兆4,240億円から1兆4,020億円へ220億円の下方修正(▲1.5%)となった一方、営業利益は920億円から1,020億円(+10.9%)、経常利益は840億円から946億円(+12.6%)、純利益は500億円から540億円(+8.0%)と、それぞれ上方修正となりました。
修正理由として同社は、グローバルすき家・グローバルはま寿司セグメントを中心に業績が好調に推移したことに加え、主要原材料である米の価格が当初想定を下回る水準で推移していることを挙げています。
一方で、為替相場の動向や中東情勢をはじめとする地政学的リスクに伴うコスト上昇など、不透明な経営環境が続いているとしています。
修正後の通期予想に対し、第1四半期の実績を単純に比べると、売上高で23.2%、営業利益で24.3%、経常利益で25.1%、純利益で28.1%の進捗となっており、第1四半期(3カ月)の目安である25%前後に対しておおむね順調なペースで推移しています。
なお、1株配当は年間80円(会社予想、中間40円・期末40円)です。
2. 稼ぎ頭は看板の「すき家」ではなく「はま寿司」
ゼンショーグループは「グローバルすき家」「グローバルはま寿司」「グローバル中食」「グローバルファストフード」「レストラン」「小売」「本社・サポート」の7つの報告セグメントで構成されています(決算短信の開示順)。
2027年3月期第1四半期の売上高・営業利益は次の通りです。
- グローバルすき家:売上高810億7,500万円(前年同期比+22.7%)、営業利益23億7,200万円(前年同期は営業損失7億6,800万円)
- グローバルはま寿司:売上高935億1,500万円(同+32.2%)、営業利益88億800万円(同+70.4%)
- グローバル中食:売上高481億200万円(同+10.7%)、営業利益85億6,700万円(同+10.3%)
- グローバルファストフード:売上高287億2,800万円(同+5.8%)、営業利益6億400万円(同▲32.2%)
- レストラン:売上高431億4,700万円(同+7.5%)、営業利益27億9,900万円(同▲5.6%)
- 小売:売上高192億1,200万円(同+0.3%)、営業損失1億7,400万円(前年同期は営業損失5億9,900万円)
- 本社・サポート:売上高28億800万円(同+54.3%)、営業利益17億1,900万円(前年同期は営業損失300万円)
2.1 店舗数で3分の1のはま寿司が、売上・利益ですき家を上回る
注目したいのが、グループの看板ブランドである「すき家」を、売上高・営業利益のいずれの面でも「はま寿司」が上回っている点です。
第1四半期末の店舗数を見ると、グローバルすき家は2,656店舗(国内2,010店舗、海外646店舗)と、914店舗(国内677店舗、海外237店舗)のグローバルはま寿司の約2.9倍の規模を誇ります。
それだけの店舗網を抱えるすき家に対し、店舗数で3分の1程度にとどまるはま寿司が、売上高・営業利益ともに上回っている点が目を引きます。
売上高は、はま寿司の935億1,500万円がすき家の810億7,500万円を124億円ほど上回りました。営業利益で見るとその差はさらに際立ち、はま寿司の88億800万円に対し、すき家は23億7,200万円にとどまっています(前年同期の営業損失7億6,800万円からは黒字転換)。
グローバル中食の営業利益85億6,700万円もはま寿司に僅差で続いており、売上規模では及ばないものの高い利益率で存在感を示しています(営業利益率17.8%、はま寿司は9.4%、すき家は2.9%)。
前期(2026年3月期)の通期実績を見ても、グローバルはま寿司の売上高は3,202億7,700万円(前期比+28.9%)、営業利益は267億7,100万円(同+25.4%)で、グローバルすき家の売上高3,144億5,400万円(同+6.3%)、営業利益93億1,700万円(同▲62.0%)をいずれも上回っていました。
既存店売上高の前年比を見ると、第1四半期はグローバルすき家が112.9%、グローバルはま寿司が109.8%と、直近の伸び率ではすき家のほうが高くなっています。それでも売上高・営業利益の規模では、はま寿司が上回る状態が続いています。同社は1Qの連結業績について「原材料価格の変動に加え、人件費をはじめとする各種費用の増加が影響」したとしています。
3. 稼ぎ頭2セグメントの事業内容
グローバルはま寿司は日本と中国などに展開し、新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させているのが特徴です。今回の1Qは52店舗を新規出店し、914店舗まで拡大しました。
グローバル中食は「AFC(ZENSHI)」「SNOWFOX」「YO!」「Bento」「Sushi Circle」などのブランドで、主に欧米で寿司などのテイクアウト商品を展開する事業です。