4. この調査が数えているもの

数字の前提を押さえておきます。

4.1 平均給与月額には諸手当が入っている

平均給与月額は、給料月額に諸手当を加えた額の平均です。扶養手当や地域手当、時間外勤務手当なども含まれます。

手当の割合は勤務地や家族構成によって変わります。同じ年齢帯でも、一人ひとりの額はこの平均から離れることがあります。

4.2 対象は一般行政職

ここまでの数字は一般行政職のものです。教育職や警察職、消防職などは別に集計されています。

調査は全地方公共団体を対象としており、都道府県と市区町村では水準に差があります。自分の住む自治体の数字を知りたい場合は、団体別の表を見る必要があります。

5. 【元自治体職員の実感】収入が下がっても保険料はすぐに下がらない

筆者は自治体で国民健康保険と後期高齢者医療制度の保険料を計算する仕事をしていました。退職前後の相談で多かった話があります。

5.1 退職した年の保険料は現役時代の所得で決まる

国民健康保険料と後期高齢者医療保険料は、前年の所得をもとに計算されます。退職して収入が下がっても、その年度の保険料は働いていたときの所得で決まります。

窓口では「もう給料がないのに、なぜこの金額なのか」という相談をよく受けてきました。制度の仕組みとしてはそのとおりで、下がるのは翌年度からになります。

5.2 在職中と退職後では加入する制度が違う

地方公務員は在職中、共済組合に加入しています。退職すると、国民健康保険に入るか、家族の被扶養者になるか、共済組合の任意継続を選ぶことになります。

どれを選ぶかで負担額は変わります。退職前に、それぞれいくらになるのかを確かめておきたいところです。

6. 退職前に確かめておきたいこと

手続きの面も見ておきます。

6.1 保険料の見込額は窓口で試算できる

国民健康保険料の見込額は、市区町村の担当課で試算してもらえます。前年の所得が分かる書類を持っていくと、具体的な金額が出ます。

共済組合の任意継続についても、加入している共済組合に問い合わせれば保険料が分かります。両方を並べて比べると判断しやすくなります。

6.2 負担が重いときの相談先がある

保険料の納付が難しいときは、分割や分納の相談ができます。市区町村によっては減免の制度もあります。

これは国民健康保険料と後期高齢者医療保険料についての話で、年金保険料とは手続きが別です。困ったときは早めに窓口で相談してみてください。

7. まとめにかえて

令和7年地方公務員給与実態調査によると、一般行政職の平均給与月額は56歳から59歳の51万4380円が最も高く、60歳から63歳では33万3999円でした。差は18万381円で、35.1%の減少です。

64歳から67歳は32万8790円、68歳以上は35万915円で、60歳を過ぎたあとは横ばいでした。全体の平均給与月額は41万3136円、平均年齢は42.0歳です。

収入が下がる時期と、保険料が下がる時期はずれます。退職を控えている方は、辞めたあとに加入する制度と保険料の見込額を、市区町村の担当課や共済組合で確かめてみてください。

参考資料

太田 彩子