3. 実家を売る前に押さえたい期限と条件の注意点は3つ

売却の準備を始める前に、見落としやすい点が3つあります。

3.1 1. 売却の期限は「相続から3年」より早く来ることがある

3000万円特別控除は、特例の対象となる譲渡の期間が2027年12月31日までと定められています。

「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日」と「2027年12月31日」のどちらにも間に合う必要があるため、早いほうが実質的な期限になります。

たとえば2025年に相続が始まった場合、3年ルールだけなら期限は2028年末ですが、特例の対象となる譲渡が2027年末までのため、実質的な期限は2027年末です(国税庁、令和8年4月1日現在の法令等による)。

3.2 2. 取得した相続人が3人以上だと、控除額は2000万円まで

国税庁によると、2024年1月1日以後の譲渡で、家屋とその敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合、特別控除額は2000万円までとなります。

きょうだいなどで実家を引き継ぐケースでは、取得する人数によって控除の上限が変わる点が見落とされがちです。

3.3 3. 相続登記は「相続を知った日から3年以内」

売却の前提となる相続登記は、2024年4月1日から義務化されています。法務省によると、不動産の取得を知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。

2024年4月1日より前に相続したことを知った不動産は、2027年3月31日までに登記する必要があります。登記の期限は、控除の期限より先に来る場合があります。

4. 実家じまいが進まない理由は?費用と手間の調査から

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実家じまいを先送りする人の不安(上位3つ)

出所:ワールドエッグス「実家じまいに関する調査」(ニッポンモンダイ)をもとにLIMO編集部作成

先送りの背景には、手間や費用への不安がありそうです。ワールドエッグスの調査では、先送り層(約4割)が挙げた不安は、次のとおりでした。

  • 思い出のある家や家財を手放すこと:58.3%
  • 見積もり内容や追加料金の確認:53.7%
  • 専門的な説明が分かりにくい:53.3%

PR media株式会社が2026年6月25日に公表した調査(実父母または義父母が持ち家に住む30〜69歳、300人)では、実家の今後に向けて「特に何もしていない」が79.3%でした。不動産会社に査定や相談をした人は2.0%にとどまります。

費用面では、株式会社WAKERZが運営するKAI-TECHが2026年7月27日に公表した調査(30〜70代、176件)で、一戸建ての解体費用の相場を詳しく知らない人が83.0%でした。

木造2階建て・延床30坪程度の解体費用の見込みを尋ねると、最多は「100万〜200万円未満」で35.8%でした。あくまで回答者の見込みであり、実際の金額は建物の条件によって変わります。複数の会社から見積もりを取って確認しておきたいところです。

5. まとめにかえて|先送りする前に、3つの確認から

実家じまいを先送りした人は13.7%、先送りしたいと思った人は26%で、合わせて約4割でした。気持ちの整理に時間が必要なのは自然なことです。ただ、空き家の3000万円特別控除には2027年12月31日までという期間があり、相続登記にも期限があります。

最初の一歩としては、次の3点の確認が手がかりになります。

  • 実家の名義と築年(1981年5月31日以前に建築されたか)
  • 相続人になる家族の人数
  • 家財の整理と解体にかかる費用の見通し

国土交通省などが公開している「住まいのエンディングノート」は、実家の情報や今後の希望を家族で書き出すのに役立ちます。そのうえで、税金は税務署や税理士、登記は司法書士といった専門家に、早めに相談しておくと安心です。

参考資料