あなたは、上司に対して「有給休暇を取得します」と堂々と伝えることができますか?「なんとなく言いにくい」「よほどのことがない限り申し出ない」という方も少なくないでしょう。

なかなか取得しにくいケースもある有給休暇ですが、2019年4月の労働基準法改正により、年5日の有給休暇取得が義務化されました。そこで今回は、義務化の内容や実態、義務化に対する人々の意見を集めてみました。

有給休暇取得義務化の内容は?

まずは、義務化の具体的な内容を把握しておきましょう。対象になるのは、人数に関わらずすべての事業所。会社はもちろん、個人事業も対象となります。

また、対象となるのは「年次有給休暇が10日付与される人」と定められています。有給休暇が10日付与されるのは、フルタイムで6カ月以上、かつ8割以上出勤した人。となると、ほとんどの正社員が当てはまるのでしょう。

パートタイマーの場合、勤続3.5年以上かつ週4日以上働く人に対し、少なくとも10日付与することになっています。よって、この基準をクリアしていれば義務化の対象です。対象となる日数は5日間で、付与日から1年以内に取得しなければなりません。

また、通常の有給休暇と違うのは、会社が指定した日に休むという点です。すでに5日以上の有給休暇を取得している、計画年休制度によって5日間付与されているといったケースが対象外ですので注意しましょう。このように、義務化には細かいルールがいくつもあります。ご自身が当てはまるのか、事前に確認しておくと安心でしょう。

有給休暇の実態は?

ようやく義務化になった有給休暇ですが、これまでにさまざまな不満を抱えていた人も少なくないようです。実際のところ、「あなたの会社の有給取得に不満はありますか?」という問いに対し、100人中54人が「はい」と回答しました。(3人は「わからない」と回答)

では、どのような不満を感じているのでしょうか。その本音を聞いてみました。

・「有給を取ろうとすると、上司が『俺がお前くらいのときは、有給なんて取れなかったぞ』とブツブツいってきます」

・「20年以上勤めているが、有給を取得したことは1回もありません。社長にその話題を振ると不機嫌になるし、そもそも有給が存在するかも謎です」

・「周囲が誰も有給を取らないため、自分だけ休みたいなんて言い出せません。上司が積極的に取ってくれたらいいのに」

・「有給休暇が付与されているのに、シフトの都合で取得できないのが現状です」

有給休暇の取得義務化に戸惑う夫の姿も。