20歳になると、学生も国民年金の被保険者になります。
保険料の納付が難しい学生のために、日本年金機構は学生納付特例制度を設けています。所得の基準は申請者本人のみで判定され、家族の所得は問われません。
ただし承認された期間は、受給資格期間には含まれる一方で、年金額の計算には含まれません。同じ期間でも扱いが分かれます。
この記事では、学生納付特例の3つの扱いの違いを確認したうえで、2026年度の年金額と受給権者の平均月額を見ていきます。
1. 学生納付特例は、受給資格期間と年金額で扱いが分かれる
日本国内に住むすべての方は、20歳になったときから国民年金の被保険者になり、保険料の納付が義務づけられます。
学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される仕組みがあります。
1.1 対象になる学生と、所得の基準
対象になる範囲は広めです。
大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する方が対象で、夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれます。
所得の基準は「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」です。判定は申請者本人のみで行われ、家族の所得の多寡は問われません。
1.2 受給資格期間には入るが、年金額には反映されない
ここが押さえておきたい点です。
老齢基礎年金を受け取るには原則として保険料の納付済期間等が10年以上必要ですが、学生納付特例の承認を受けた期間はこの10年に含まれます。
一方で、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。満額を受け取るには40年の保険料納付済期間が必要です。
ただし障害基礎年金や遺族基礎年金の納付要件については、学生納付特例の承認を受けている期間も保険料納付済期間と同様に扱われます。
1.3 承認期間の区切りと、申請が遅れたときのリスク
申請の時期にも注意が必要です。
学生納付特例は原則として申請日にかかわらず、4月から翌年3月までを対象として審査されます。申請日が1月から3月までの場合は、前年4月から3月までが対象です。
さかのぼれるのは申請時点から2年1か月前までで、複数年度を申請する場合は申請書が複数枚必要になります。
なお、申請が遅れると、申請日前に生じた不慮の事故や病気による障害について障害基礎年金を受け取れない場合があると案内されています。承認を受けた期間は10年以内なら追納できますが、3年度目以降は加算額が上乗せされます。
なお、公的年金の仕組みや年代別・全体の平均年金額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
2. 1階の国民年金と2階の厚生年金、どう組み合わさるのか
公的年金は1階と2階が重なる形で組み立てられています。まずはLIMOの記事「【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金」から引用して確かめておきます。
日本の公的年金は、2階建て構造で、1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金(会社員・公務員)となっています。国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が対象となる基礎的な年金制度です。自営業やフリーランス、学生などが主に加入し、保険料は自分で納めます。受給額は加入期間に応じて決まりますが、満額でも月約7万円程度が目安です。厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金制度で、国民年金に上乗せして支給されます。保険料は給与から天引きされ、収入や加入期間によって将来の受給額が変わります。
出所:LIMO「【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金」
2026年度は年金額が増額改定されました。その内容もLIMOの記事「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」から引用して確かめておきます。
2026年度の年金額は、国民年金が前年度比1.9%増、厚生年金(報酬比例部分)が同2.0%増の増額改定となりました。国民年金(満額・1人分)は月額7万608円、厚生年金(モデル夫婦世帯・2人分)は月額23万7279円です。ただし「ねんきん定期便」などに記載された金額は税金や社会保険料が引かれる前の「額面」であるため、実際の手取り額はこれより少なくなります。
出所:LIMO「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」
3. 年齢ごとに並べた厚生年金の受給額
いまのシニア世代は実際にいくら受け取っているのでしょうか。年代別の年金一覧表とあわせて確認していきましょう。
使う資料は厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」です。年齢ごとの平均月額を一覧で追います。
まず厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額を見ます。
3.1 厚生年金・60歳から69歳まで
- 60歳:9万9664円
- 61歳:10万4455円
- 62歳:10万9323円
- 63歳:6万8758円
- 64歳:8万3901円
- 65歳:14万9862円
- 66歳:15万2378円
- 67歳:15万2356円
- 68歳:15万2709円
- 69歳:15万1284円
出所:LIMO「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」
※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。
3.2 厚生年金・70歳から79歳まで
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
出所:LIMO「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」
3.3 厚生年金・80歳から89歳まで
- 80歳:15万3729円
- 81歳:15万5460円
- 82歳:15万7744円
- 83歳:15万9994円
- 84歳:16万2555円
- 85歳:16万3947円
- 86歳:16万5577円
- 87歳:16万5557円
- 88歳:16万6200円
- 89歳:16万6767円
出所:LIMO「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」
3.4 厚生年金・90歳以上
- 90歳以上:16万4027円
出所:LIMO「【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金」
受け取り始める標準の年齢は65歳です。65歳以降の各年齢で見た厚生年金の平均月額は、14万円台から16万円台に収まりました。



