3. 書き方のポイントと注意すべき罠

提出が必要だとわかったら、次は書き方です。特に間違えやすい2つのポイントを確認しておきましょう。

3.1 マイナンバーの記入は必須項目、ただし未記載でも受理はされる

マイナンバー(個人番号)は、法令で定められた扶養親族等申告書の記載事項のため、できる限り記入することが求められています。ただし、記入がなかったというだけの理由で申告書が受理されなかったり、内容が無効になったりすることはありません。記入がない場合、日本年金機構から後日連絡が入ることがあるため、できるだけ正確に記入しておくとやり取りの手間を省けます。

3.2 「前年と変わっていない」人も、毎年の提出が欠かせない

前年に扶養親族等申告書を提出した人には、あらかじめ前年の申告内容が印字された用紙が送られてきます。内容に変更がなければ、「ア.前年から『変更なし』で申告します」という欄に丸をつけて氏名を書くだけで済む、簡単な仕組みが用意されています。

ただし、この場合であっても、申告書そのものを提出するという行為は毎年必要です。「去年から状況は変わっていないから今年は出さなくていい」と思い込んで放置してしまうと、その年は未提出として扱われ、控除が反映されないまま所得税が源泉徴収されてしまいます。

和田直子
マイナンバーは記載が求められている項目ですが、書き忘れても申告書自体が無効になるわけではありません。とはいえ、正しく記入しておけば余計な問い合わせを避けられます。それより見落としがちなのは、「去年と何も変わっていないから今年は出さなくていい」という思い込みです。内容に変更がなくても、申告書そのものの提出は毎年必要ですので、届いたらまず封を開けて確認する習慣をつけておきましょう。

4. 期限が過ぎてしまった・出し忘れた場合の対処法

「気づいたら期限を過ぎていた」という場合でも、まだ対処する方法は残っています。

4.1 期限後でも、気づいた時点ですぐに提出を

提出期限を過ぎてしまった場合、一旦は控除がない状態で所得税が源泉徴収されます。しかし、期限を過ぎていても、気づいた時点ですみやかに提出すれば、さかのぼって所得税額を再計算してもらえます。「もう間に合わない」とあきらめず、まずは提出することが大切です。

4.2 確定申告をすれば、払いすぎた所得税は還付される

扶養親族等申告書を出し忘れたまま年が明けてしまった場合でも、翌年の確定申告で配偶者控除や扶養控除などを申告すれば、源泉徴収され過ぎていた所得税の還付を受けられます。扶養親族等申告書の提出は、確定申告の手間を省くための仕組みという位置づけでもあるため、出し忘れてしまっても控除そのものを受けられなくなるわけではありません。

和田直子
提出期限を過ぎてしまった、あるいは出し忘れに気づいたという場合でも、慌てる必要はありません。日本年金機構への提出が遅れても、さかのぼって税額が再計算されますし、確定申告という最後の手段も用意されています。大切なのは、「もう手遅れだから」とあきらめて何もしないことではなく、気づいた時点で早めに動くことです。毎年秋に同じような書類が届くからこそ、一度仕組みを理解しておくと、来年以降も慌てずに対応できるようになります。

5. まとめ

配偶者控除や扶養控除、障害者控除などの対象になる家族がいる人は、扶養親族等申告書を期限内に提出することで、年金から天引きされる所得税を抑えられます。一方、対象になる家族がいない人は、提出しなくても税額は変わりません。

書類が届いたら、まず中身を確認し、自分が提出の必要な人かどうかを見極めましょう。もし提出を忘れてしまっても、気づいた時点ですぐに提出するか、翌年の確定申告で払いすぎた税金を取り戻すことができます。難しそうだからと開けずにしまい込まず、まずは確認するところから始めてみてください。

参考資料

和田 直子