3. 100株保有で「1デーパス」、上場30周年特別優待の権利付き最終日は9月28日

個人投資家の関心を集めそうなのが、2026年9月30日を基準日とする「上場30周年記念特別株主優待」です。

同社は2026年12月に上場30周年を迎えることを記念し、2026年4月28日にこの特別優待の実施を発表していました。昨年度の創立65周年特別株主優待に続き、2年連続での特別優待制度の実施となります。

対象は2026年9月30日時点で100株(1単元)以上を保有するすべての株主で、現行の株主優待制度に加えて、東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーいずれかで利用できる「株主用パスポート」(1デーパスポート)を1枚配布します。

配布時期は12月予定、有効期限は2027年8月31日までで、通常優待で配布されるパスポートとは有効期限が異なる点、特別営業時間(年越し特別営業など)には利用できない点に注意が必要です。

権利を得るには、権利付き最終日である9月28日(月)の取引終了時点で株式を保有している必要があります。

通常、9月末を基準日とする優待でパスポートを受け取るには、①2,000株以上を保有する②100株以上を3年以上継続保有する(2023年9月30日を初回の基準日とし、3月末・9月末の株主名簿に同一株主番号で連続7回以上記載されることが条件の長期保有株主様向け優待制度)のいずれかを満たす必要があります。

つまり新規に株主になった投資家が3年待たずに9月の権利でパスポートを得ようとすると、通常は「2,000株以上」の保有が必要です。

9月3日終値3,101円で計算すると、2,000株の取得には3,101円×2,000株=620万2,000円もの投資資金が求められる計算です。

これに対し、今回の記念特別優待は保有期間の定めなく100株(最低単元)の保有だけで1枚が進呈されます。

同じ終値3,101円で計算すると、必要な投資資金は3,101円×100株=31万100円。

約31万円という金額で9月権利確定のパスポートを得られるこの機会は、個人投資家にとって見逃せないタイミングと言えるでしょう。

なお、すでに2,000株以上を保有している株主や長期保有条件を満たしている株主については、通常の配布枚数に加えて特別優待の1枚が上乗せされます。

保有株数の区分によって、もらえる株主用パスポートの枚数と適用される優待の種類は異なります。

通常優待・長期保有優待・今回の上場30周年特別優待を合わせた保有株数別の贈呈枚数を、以下の一覧表にまとめました。

オリエンタルランドの優待一覧表(保有株数区分別・贈呈枚数1/2

オリエンタルランドの優待一覧表(保有株数区分別・贈呈枚数

出所:オリエンタルランド 株主優待制度

株主優待の内容や条件は将来変更・廃止される可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

4. バリュエーション面では、なお高値圏に近い水準

9月3日終値3,101円をもとにした指標では、PER(会社予想、連結)は44.68倍、PBR(実績、連結)は4.51倍、配当利回り(会社予想)は0.52%となっています(1株配当は16.00円を予想)。

年初来高値3,167円(7月31日)・年初来安値2,103円(5月25日)と比べると、9月3日時点の株価はなお高値圏に近い水準にあると言えそうです。

OLCの年間チャート2/2

OLCの年間チャート

出所:LIMO&ファイナンス

5. 記者コメント

9月28日には上場30周年特別優待の権利付き最終日を控えています。100株保有だけで条件を満たせる今回の特別優待は、通常であれば2,000株以上の保有か3年以上の継続保有が必要な条件と比べて取得のハードルが低く、権利取りを目的とした個人投資家の関心を集めやすい仕組みといえます。

長期金利が3%前後で推移するなど金利上昇局面では、PERやPBRの水準が相対的に高い銘柄ほど割高感から売られやすくなる傾向があり、PER44.68倍・PBR4.51倍という同社の足元の水準は、教科書的にはこうした金利要因の影響を受けやすい部類に入ります。

もっとも、同社株は上場30周年特別優待をはじめとする根強い優待・ファン需要に支えられている面もあり、一般的な高PER株ほど一方的には崩れにくい銘柄ともいえそうです。金利上昇による売り圧力と、優待・ブランド力に支えられた買い需要とがせめぎ合う構図として捉えると、値動きの背景が整理しやすいかもしれません。

権利付き最終日が近づく9月28日前後は、権利落ちを見越した手仕舞い売りや権利落ち後の売りが重なりやすく、値動きが普段より荒くなる場面も想定されるため、注視しておきたいところです。株価が年初来高値圏に近い水準にあることも踏まえると、この時期に新たに買いを入れる場合は、優待の価値に相当する分だけ権利落ち後に株価が調整する可能性も含めて、慎重な判断が求められます。

100株保有だけで条件を満たせる今回の特別優待は、通常であれば2,000株以上の保有か3年以上の継続保有が必要な条件と比べると取得のハードルが低く、権利取りを検討する個人投資家にとって、投資タイミングを見極める材料の一つになるでしょう。

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください

参考資料

高原 祥子