Bさんが務めていた建設系の会社は、残業や休日出勤が当たり前。夜勤シフトを巧みに使って1か月で32連勤などという事態になることもあったそうです。

現場監督のBさんは、人手不足のため自分も一緒に手を動かす毎日。そんな中で休みが取れず、心身ともに限界だと感じて上司に休みを申請したところ、「この忙しい時期に休むのか、周りのことを考えろ。別にやめてもいい、お前の代わりはいくらでもいる」と言われて転職を決意したといいます。転職先も同じ建築系ではあるものの、仕事の環境は大幅に改善したそうです。

転職で失敗しないために

ブラック企業から転職をするのであれば、次こそは自分の適性に合い、きちんと評価してくれる会社に転職し、転職先でもうまくやっていきたいものです。では、どんなことに注意すればいいのでしょうか。

そもそも転職の場合は即戦力を期待されるので、転職してすぐに力を発揮できなければ「使えない人が来た」と思われてしまいます。まずは、自己分析に加え、周りの人に評価してもらう他己分析もして自分の得意なことを見極めましょう。その上で、自分の力を発揮できそうな会社・部署・職種に転職できるようにアプローチすれば、転職後のギャップも少なくなるのではないでしょうか。

また、どんなに自信があっても謙虚でいられることも大切です。日本企業の多くは終身雇用制度が前提であったため、新卒(プロパー社員)にその企業独特の文化を叩きこむ風土が非常に強いもの。転職者から見て非効率に感じることがあっても、前職ではこうだった、ああだったと言いすぎると、異分子として疎まれてしまいます。人間関係を含め、その会社にある程度慣れて働きやすい環境を築いてから、自分の意見を出していくのが賢明でしょう。

おわりに

自分が働いている企業がブラックかも?と思ったら、厚生労働省の労働条件に関する総合情報サイト「確かめよう労働条件」を参照してみてください。相談機関の紹介ページもあります。また、安全衛生優良企業マーク推進機構のサイトで、ブラック企業簡易診断のページを見てみるのも良いでしょう。精神的・肉体的に辛い労働環境であれば、無理に我慢することはありません。周囲の信頼できる人やしかるべき機関に相談し、早めに手を打ちましょう。

LIMO編集部