ここはブラック企業だった!と、入社してから気づいて後悔したという人もいるかもしれません。そんな経験をした人は、何に打ちのめされて会社をやめたのでしょうか。また、なかなか入社前に企業の内情を知ることは難しいですが、ブラックかどうかを見分けるにはどんな方法があるのでしょうか。

ブラック企業の定義と見分け方

厚生労働省の委託事業者である安全衛生優良企業マーク推進機構によると、ブラック企業とは「コンプライアンス(法令や規則)を遵守していない企業のこと」とされています。その一般的な特徴としては、労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、サービス残業やパワハラが横行するといったことがあげられるのではないでしょうか。

また、最近では違法な長時間労働を繰り返している企業に対し、厚生労働省は「全社的な早期是正について指導するとともに、その事実を公表する」としています。ただ、対象基準の一つが「社会的に影響力の大きい企業であること」とされているため、実質的に中小企業は含まれていません。

そうしたブラック企業を入社前に見分ける手がかりの一つは離職率です。そもそも居心地の良い会社であれば、社員は会社を辞めないものです。離職率が高いところは常に人手不足で長時間労働が当たり前になっていたり、ノルマが多くパワハラの問題などがあったりする可能性が高いと言えます。

就職四季報(東洋経済新報社)には3年後離職率が載っていますが、公表されていない場合は、面接時に聞いてみるといいでしょう。面接で答えをはぐらかされた場合は離職率の高さを知られたくないのかもしれませんので、注意が必要です。

他にも、最近では企業で実際に働いている(働いていた)人の生の声を知ることができる企業クチコミサイトもあります。企業や転職エージェントからの情報は表面的なことが多いので、このようなサイトやブラック企業大賞のサイトなどをチェックしてみることも大切です。

ブラック企業から転職した人のエピソード

上述のように、ブラック企業では「極端な長時間労働やノルマ」「サービス残業やパワハラ」が横行するという状況があります。次に、そんな職場をやめることになった人のエピソードを紹介します。

先輩のパワハラでうつ状態に

金融機関で働いていたAさんは、異動先で席が隣り合わせになった先輩からのパワハラでダメージを受けたといいます。

大声で怒鳴られることから始まり、次第に「なんでそんなに頭が悪いの?」「一回死んで人生やり直して来い」などという人格否定発言へとエスカレート。Aさんは朝起きられなくなったり通勤途中に気分が悪くなるような状態に陥り、周囲のすすめで心療内科を受診したところ、うつ病一歩手前と診断されて退職を決めました。今は休養期間を経て転職しています。

残業や休日出勤が多すぎて疲労困憊