2026年8月31日、厚生労働省が厚生年金保険・国民年金事業月報の令和8年4月分を公表しました。遺族厚生年金の平均月額は8万6780円でした。
前年同月は8万5697円でしたので、1083円増えています。夫が亡くなったあと、妻が受け取る年金はいくらになるのか。その目安がここに出ています。
この記事では、公表された平均額と、遺族厚生年金の計算のしかたを確認していきます
1. 遺族厚生年金の平均月額は8万6780円だった
まず、公表された遺族厚生年金の平均月額から確認します。
1.1 令和8年4月末時点の平均額
厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業月報によると、令和8年4月末現在の厚生年金保険(第1号)の遺族年金の平均月額は8万6780円でした。
前年同月の8万5697円と比べると、1083円増えています。伸び率でみると1.26%です。
1.2 受け取っている人は587万6692人
同じ月報では受給者数も示されています。厚生年金保険(第1号)の遺族年金の受給者は587万6692人でした。
国民年金の遺族年金の受給者7万6760人と合わせると、遺族給付を受けている方は589万2695人になります。
2. 遺族厚生年金の年金額は報酬比例部分の4分の3になる
次に、この平均額がどう計算されているのかを見ていきます。
2.1 亡くなった方の老齢厚生年金が基準になる
日本年金機構によると、遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額です。
受け取る方の収入や年齢ではなく、亡くなった方が受け取るはずだった年金が基準になります。
2.2 加入期間が短いときは300月として計算する
厚生年金の加入期間が短い場合の扱いも決まっています。
厚生年金保険の被保険者である間に死亡したときなど一定の要件による遺族厚生年金では、報酬比例部分の計算で被保険者期間が300月(25年)未満の場合、300月とみなして計算します。若くして亡くなった場合に年金額が極端に少なくならないようにする仕組みです。
2.3 65歳以上で自分の老齢厚生年金がある場合は2つの式を比べる
受け取る方が65歳以上で、自分の老齢厚生年金を受け取る権利がある場合の扱いも定められています。
配偶者の死亡による遺族厚生年金を受け取るときは、「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と、「死亡した方の報酬比例部分の2分の1の額に自身の老齢厚生年金の2分の1の額を合算した額」を比較します。
そのうえで、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。どちらか一方だけで決まるわけではありません。
3. 遺族厚生年金を受け取れる遺族には優先順位がある
遺族厚生年金は、遺族であれば誰でも受け取れるわけではありません。
3.1 最も優先順位の高い方が受け取る
日本年金機構によると、死亡した方に生計を維持されていた遺族のうち、最も優先順位の高い方が受け取ることができます。
順に、子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母です。先の順位の方がいる場合、後の順位の方は受け取れません。
3.2 夫や父母には年齢の条件が付く
配偶者のうち、子のない夫は55歳以上である方に限り受給できますが、受給開始は60歳からです。ただし遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても遺族厚生年金を受給できます。
父母または祖父母も55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳からとなります。なお子のない30歳未満の妻は、5年間のみの受給です。
平均額は目安として役立ちますが、遺族厚生年金は亡くなった方の年金記録で決まります。ねんきん定期便を夫婦で見ておくと見通しが立ちます。
