厚生年金の平均年金月額は15万289円ですが、そこには男女差も地域差もあります。

この「差」が問題になる場面のひとつが離婚です。婚姻期間中の厚生年金記録を分ける手続きがあります。

制度は「合意分割」と「3号分割」の2つ。3号分割なら相手の合意はいりません。請求期限は原則、離婚等をした日の翌日から起算して5年以内です。

この記事では、離婚時の年金分割の2つの制度と、厚生年金の全国平均、都道府県別の平均年金月額について解説します。

1. 離婚時の年金分割は2つの制度に分かれる

離婚するときには、厚生年金の記録を分ける手続きがあります。

日本年金機構によると、離婚時の年金分割には「合意分割制度」と「3号分割制度」の2つがあります。

合意分割制度は、平成19年4月1日以後に離婚等をした場合に、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割できる制度です。当事者双方の合意または裁判手続により按分割合を定める必要があります。

1.1 3号分割は相手の合意がいらない

もうひとつの制度には、大きな違いがあります。

3号分割制度は、平成20年5月1日以後に離婚等をした場合に、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割できる制度です。

そして請求にあたっては、当事者双方の合意は必要ありません。話し合いがまとまらない場合でも、第3号被保険者であった方が単独で手続きできることになります。

離婚時の年金分割は2つの制度に分かれる1/3

離婚時の年金分割の合意分割制度と3号分割制度の違いと、請求期限が原則5年以内であることを示した図

出所:日本年金機構「離婚時の厚生年金の分割(合意分割制度)」および「離婚時の厚生年金の分割(3号分割制度)」をもとにLIMO編集部作成

1.2 請求期限は原則5年以内

手続きには期限があります。

分割請求の期限は、原則として離婚等をした日の翌日から起算して5年以内です。ただし令和8年4月1日前に離婚等をした場合は、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内となります。

また、按分割合を定めるには情報が必要です。当事者双方または一方からの請求により、分割の対象となる期間や当事者それぞれの標準報酬月額・標準賞与額などの情報を記した「情報通知書」が提供されます。この請求は離婚の前でも後でも行えます。

なお年金分割の効果は厚生年金の報酬比例部分に限られ、国民年金の老齢基礎年金等には影響しません。手続きの詳細は年金事務所に確認してみてください。

なお、公的年金の仕組みや平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
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2. 厚生年金の全国平均は月15万289円

厚生年金の全国平均の詳細は、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認します。

厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。

出所:LIMO「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」