仕事帰りの一杯、家族の記念日、友人との集まり。夕食の外食には、さまざまな場面があります。

そのとき、1回あたりいくら使っているのでしょうか。

マイボイスコム株式会社が実施した調査から、夕食の外食事情を確認していきます。

この記事の3つのポイント
  • 直近1年間に夕食を外食した人は8割弱で、2021年の調査より増加
  • 1回あたりの支出額は「2000~3000円未満」が最も多い階級
  • ただし2000円以上は4割弱で、6割強は2000円未満

1. 夕食を外食した人は8割弱

マイボイスコム株式会社が実施した「外食に関するインターネット調査」によると、直近1年間に夕食を外食した人は8割弱、2021年の調査より多くなっていることが分かりました。

この調査は同社が8回目として実施したもので、調査時期は2023年9月1日から5日、回答者数は9698人です。対象は同社のアンケートモニターで、インターネット調査で行われています。数年前の調査であることは、読むうえで押さえておきたい点です。

8割弱ということは、およそ5人に4人が年に一度は夕食を外で食べているという計算になります。頻度の差はあれ、外食は多くの人にとって身近な行動だといえます。

注目したいのは、2021年調査より増加しているという点です。2021年は外出の自粛が続いていた時期にあたります。その後、行動制限が解除され、外食の機会が戻ってきたことがこの数字に表れています。

2. 支出額で最も多いのは「2000~3000円未満」

また、夕食を外食する人の支出額については、1回あたり「2000~3000円未満」が最も多い結果となっています。

2000円台という金額は、ファミリーレストランや定食店、ラーメン店などでの食事に、飲み物を1杯つけた程度の水準です。特別なごちそうではなく、日常の延長にある外食が多いことがうかがえます。

以前ご紹介したレジャー白書のデータでは、「外食(日常的なものは除く)」の1回あたり費用が約3510円でした。こちらは「日常的なものを除く」という条件があるため、金額が高めに出ています。

つまり、日常的な外食を含めれば2000円台、特別な外食に限れば3000円台。この2つの数字を並べると、外食支出の幅が見えてきます。

3. 「最も多い階級」と「多数派」は違う

ここで数字の読み方をひとつ整理しておきます。

マイボイスコムの発表では、支出額の分布について「1400円以上が6割強、2000円以上が4割弱」と示されています。

この記事で注目したいのは、後者の「2000円以上が4割弱」のほうです。「2000~3000円未満」は最も回答が多い階級ではあるものの、2000円以上を出している人は4割弱にとどまります。裏を返せば、残る6割強の人は1回2000円未満で夕食の外食を済ませているということになります。

なお「1400円以上が6割強」と「2000円未満が6割強」は、どちらも6割強ですが別の数字です。前者は1400円、後者は2000円と、線を引く位置が違います。同じ割合になっているのは偶然で、指している層は同じではありません。

「ボリュームゾーンは2000~3000円未満」という表現だけを取り出すと、多くの人が2000円台を使っているように読めます。ただ実際には、それより下の階級に人数が広く分かれている、という構造です。

平均や最頻値をひとつだけ受け取るのではなく、分布の形まで見ておくと、自分の水準との比べ方が変わってきます。

「直近1年間に8割弱」という数字は、頻度まで見ると印象が変わります。

同じ調査では、夕食を外食する頻度について、週1回以上が1割強、月1回以上が4割強と示されています。直近1年に外食した人が8割弱いる一方で、月1回以上の人は4割強にとどまるということです。

差の分、つまり8割弱のうち半分近くは、年に数回という層になります。同じ「外食した人」のなかに、週に何度も店に行く人と、年に数回の特別な機会だけの人が同居している計算です。ひとくちに外食の話といっても、想像している場面はかなり違うのだろうと思います。

支出額の分布が2000円未満に広がっていたことと、この頻度の差は、おそらく同じことを別の角度から示しているのだと思います。頻度が高い人ほど日常寄りの店を選び、金額は下がりやすいはずです。

では、この支出を家計のどこに置くか。次の項でその整理を見ていきます。

中沢 新

4. 外食が家計に占める位置づけ

外食費は、家計簿では「食費」に含めるか、「交際費」や「娯楽費」に分けるかで扱いが変わります。

  • 自炊の代わりとしての外食(時間がないとき、疲れているとき)
  • 楽しみとしての外食(記念日、友人との食事)

この2つは性格がまったく違います。前者は食費の一部として、後者は娯楽費として捉えると、支出の意味が整理しやすくなります。

たとえば月に4回、1回2500円の外食があるとすれば月1万円、年間で12万円。決して小さくない金額です。

そのうち何回が「自炊の代替」で、何回が「楽しみ」だったのか。振り返ってみると、削るべき部分と守るべき部分が見えてきます。

5. 外食価格の上昇という背景

近年、外食の価格は上昇傾向にあります。食材費、光熱費、人件費、物流費といったコストが軒並み上がっているためです。

これまで1000円以内で食べられていたメニューが1000円を超える、いわゆる「1000円の壁」が話題になったのも記憶に新しいところです。

「2000~3000円未満」というボリュームゾーンも、数年前とは中身が変わっている可能性があります。同じ2500円でも、以前より品数が少なかったり、量が減っていたりするかもしれません。

なお今回の調査は2023年9月時点のものです。その後の値上がりを踏まえると、いま同じ質問をすれば分布はもう少し上にずれている可能性も考えられます。

6. 店選びで最も重視されるのは「料理の味」

支出額と並んで、何を基準に店を選んでいるのかも調査されています。

夕食時に外食する店を選ぶ際の重視点は、複数回答で「料理の味」が67.9%、「価格」が51.0%。「メニューの内容」「店へのアクセス」が各40%台と続きます。

価格が2番目に来ている点は、支出額の分布が2000円未満に広がっていたことと重なります。一方で、最も多いのは味という結果です。安いだけでは選ばれない、という当たり前のことが数字にも表れています。

外食する場面としては、「休日の夜」が43.5%で最も多く、「外出のついで」「平日の夜」が各3割強でした。

7. 外食とうまく付き合うには

外食を減らすことだけが正解ではありません。自炊には食材費のほかに買い物と調理の時間がかかり、その時間の価値も考慮に入れるべきだからです。

  • 平日は自炊、週末は外食といったルールを決める
  • ランチとディナーで使い分ける(同じ店でもランチは割安なことが多い)
  • クーポンやポイント還元を活用する
  • 「楽しみの外食」には月の予算枠を設ける

回数を我慢するより、枠を決めて満足度の高い使い方をするほうが、結果的に続けやすくなります。

8. まとめにかえて

今回は、マイボイスコムの調査から夕食の外食事情を確認しました。

  • 直近1年間に夕食を外食した人は8割弱で、2021年の調査より増加
  • 1回あたりの支出額は「2000~3000円未満」が最も多い階級
  • ただし2000円以上は4割弱で、6割強は2000円未満
  • 頻度は週1回以上が1割強、月1回以上が4割強

自分の外食の頻度と金額を振り返ってみると、食費全体のバランスが見えてくるかもしれません。

9. 【執筆者コメント】夕食の区切りが曖昧になる働き方で

私は勤務先を変えないまま地方に住み、リモートワークで働いています。地方で働けるのは大変助かっているのですが、ひとつ困っているのが、始業と終業の境目が曖昧になりやすいことです。

その延長で、夕食の時間もはっきりしなくなります。作業を切り上げるきっかけがないので、気づいたら遅い時間になっている。そういう日は自炊をする気力がなく、コンビニまで車で行って何か食べるものを買って帰るかになります。

この記事でいえば、私の夕食の外食はほぼ「自炊の代わり」の側です(休日はよくランチでラーメンを楽しみます)。

そう考えると、店選びで「料理の味」が67.9%で1位という結果は、少しうらやましく読めます。味で選べるのは、選ぶ余裕があるということでもあるのだろうと思います。

外食を減らすかどうかより、まずは夕方に一度パソコンを閉じるほうが先かもしれません。それができれば、外食の位置づけも自然に変わってくる気がしています。

参考資料

中沢 新