毎日の食卓に欠かせない野菜。食費のなかでも、野菜への支出は価格が高騰するたびにニュースになる費目でもあります。
各世帯は1か月にどれくらい野菜に支出しているのでしょうか。家計調査のデータから、年代別の支出額を確認していきます。
- 1世帯あたりの「野菜・海藻」の平均支出金額は1か月7445円
- 年代別で最多は70歳以上の8809円
- 最少の29歳以下(1670円)とは5倍以上の差
1. 野菜・海藻の支出は月7445円
統計局が発表している「家計調査 / 家計収支編 総世帯 詳細結果表」「<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出」(2025年調査)によると、1世帯あたりの「野菜・海藻」に対する平均支出金額は、1か月あたり7445円という結果になりました。
年間にすると約8万9300円です。
2. 食費のなかで野菜・海藻はどのくらいの位置?
同じ家計調査から、他の主要な食品カテゴリーと比べてみましょう(いずれも総世帯・2025年)。
- 野菜・海藻:7445円
- 乳卵類:3534円
- 果物:2775円
- パン:2242円
野菜・海藻は、乳卵類の2倍以上、果物の2.7倍という規模です。食費のなかでも、とくに大きな比重を占める費目だといえます。
3. 年代別では70歳以上が最多の8809円
世帯主の年齢別の結果は以下のとおりです。
- 29歳以下:1670円
- 30~39歳:4886円
- 40~49歳:7243円
- 50~59歳:7146円
- 60~69歳:8455円
- 70歳以上:8809円
高齢層の世帯ほど野菜への支出金額が多いことがわかります。特に70歳以上の世帯では、29歳以下の家庭の5倍以上の金額になっています。
年齢が上がるにつれ、野菜中心の食卓になるのかもしれませんね。
4. 果物と同じ「右肩上がり」の傾向
興味深いのは、この推移が果物への支出とよく似ている点です。
果物も野菜・海藻も、29歳以下から70歳以上まで、ほぼ一貫して増加していきます。野菜・海藻は40代と50代でわずかに横ばいになるものの、大きな流れとしては右肩上がりです。
一方、多くの食品カテゴリーは40〜50代でピークを迎え、その後は下がる「山型」の推移を示します。たとえば穀類は40代の7952円をピークに、50代7278円、60代7120円、70歳以上6455円と、ゆるやかに下がっていきます。
この違いは、世帯人員だけでは説明できません。人数が減っているはずの高齢世帯で野菜と果物の支出が最大になるということは、1人あたりの購入額が明確に増えているということです。
健康志向の高まり、調理する時間の余裕、そして和食中心の食生活。こうした要素が重なって、高齢層の野菜支出を押し上げていると考えられます。
5. 29歳以下の1670円が意味すること
最も少ない29歳以下の1670円は、月あたりの野菜代としてはかなり低い水準です。1日あたり約56円という計算になります。
この背景には、単身世帯の多さに加えて、外食や中食への依存があると考えられます。コンビニ弁当や外食で食事を済ませれば、野菜は「食費」ではなく「外食費」として計上されます。
つまり、野菜を食べていないというより、家庭で野菜を買う機会が少ないという読み方が適切でしょう。
とはいえ、外食や中食では野菜の摂取量が不足しがちだとも言われます。金額の低さは、食生活を見直すひとつのサインかもしれません。
6. 野菜の価格変動と家計への影響
野菜は、天候の影響を最も受けやすい食材のひとつです。
長雨、猛暑、台風、寒波。こうした要因で収穫量が減れば、価格は短期間で大きく上がることもあります。キャベツやレタス、白菜といった葉物野菜は、とくに変動が大きい傾向にあります。
月7445円という支出は、こうした変動を平均した数字です。高騰する時期には支出が膨らみ、安定している時期には抑えられるという振れ幅があります。
価格が上がったときの対処法としては、次のような方法があります。
- 価格が安定している野菜に切り替える(もやし、きのこ類、根菜類)
- 冷凍野菜を活用する(価格が安定しており、廃棄も出にくい)
- カット野菜と丸ごとの単価を比較する
- 海藻類を取り入れる(乾物は保存がきき、価格変動も小さい)
「野菜・海藻」という分類に海藻が含まれているのは、家計調査ならではの視点です。わかめやひじきといった乾物は、価格が安定していて保存もきくため、高騰時の代替として有効です。
7. 「野菜・海藻」という分類の中身
家計調査の「野菜・海藻」には、幅広い品目が含まれます。
生鮮野菜(葉茎菜、根菜、果菜)に加えて、乾物・海藻、大豆加工品、他の野菜・海藻加工品といった加工品も含まれます。豆腐や納豆、漬物、こんにゃくなどもこの分類に入ります。
つまり7445円という金額は、スーパーの青果売り場での買い物だけを指しているわけではありません。冷奴や納豆、味噌汁の具材まで含めた「野菜まわり全体」の支出だと捉えると、実感に近づきます。
高齢世帯で支出が多くなる背景には、こうした加工品の消費も影響していると考えられます。豆腐、納豆、漬物、乾物といった食材は、和食中心の食卓では登場頻度が高いためです。
自分の家計と比べるときは、青果だけでなく、こうした品目も合わせて計算してみるとよいでしょう。
8. よくある質問
8.1 野菜・海藻の食費(支出)の平均はいくらですか?
総務省「家計調査」(2025年)によると、1世帯あたりの野菜・海藻への支出は1か月あたり平均7445円です。年代別では29歳以下が1670円ともっとも少なく、70歳以上は8809円ともっとも多くなっています。
8.2 なぜ若い世代ほど野菜への支出が少ないのですか?
単身世帯が多いことに加えて、外食や中食への依存が影響していると考えられます。外食で食事を済ませると、野菜代は「食費」ではなく「外食費」として計上されるためです。
8.3 野菜の価格が高騰したときの対処法はありますか?
価格が安定しているもやしやきのこ類、根菜類に切り替える、冷凍野菜を活用する、乾物の海藻類を取り入れるといった方法が有効です。
9. まとめにかえて
今回は、家計調査から野菜・海藻への支出を確認しました。
- 1世帯あたりの平均支出金額は1か月7445円
- 年代別で最多は70歳以上の8809円
- 最少は29歳以下の1670円で、5倍以上の差
- 果物と同様、年齢とともに増える傾向
食費のなかでも大きな比重を占める費目です。自分の家計の実態を、年代の平均と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
参考資料
LIMO編集部