1. 健康保険の埋葬料は5万円

まず、会社員や公務員が加入する健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合など)から見ていきます。

1.1 受け取るのは生計を維持されていた方

全国健康保険協会によると、被保険者が亡くなったとき、その方に生計を維持されていた方で埋葬を行った方に、埋葬料として5万円が支給されます。

被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料として5万円が支給されます。どちらも金額は同じです。

1.2 親族でなくても対象になる

ここでいう生計維持は、生活費の全部を頼っていた場合に限りません。全国健康保険協会は、生活費の一部でも維持されていた方であればよく、民法上の親族や遺族であることは問われないとしています。

世帯主であるかどうか、同一世帯であるかどうかも問われません。同居していない場合や、親族でない場合でも該当することがあります。

1.3 組合によっては「付加給付」が上乗せされることも

全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合は一律5万円ですが、大企業などの健康保険組合や、公務員の共済組合に加入している場合、法定給付の5万円に組合独自の「付加給付」が上乗せされることがあります。

組合によっては合計で10万円近く支給されるケースもあるため、加入先の規約やホームページを確認しておくのが確実です。

誰が埋葬を行ったかで、支給される給付の名前が変わります1/2

誰が埋葬を行ったかで、支給される給付の名前が変わります

出所:全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」をもとにLIMO編集部作成

2. 生計を維持されていた方がいないときは埋葬費

次に、受け取る方が見当たらない場合の扱いを確認します。

2.1 5万円の範囲内で実際にかかった費用が出る

生計を維持されていた方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に対して、埋葬費が支給されます。

埋葬料と違い、定額ではありません。5万円の範囲内で、実際に埋葬にかかった費用が支給される仕組みです。かかった費用が5万円を下回れば、その額までとなります。

2.2 対象になる費用の範囲

全国健康保険協会は、埋葬費の対象として、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶への謝礼などを挙げています。

いくらかかったかを示す必要があるため、領収書は残しておくことになります。定額で支給される埋葬料とは、準備するものが変わってきます。

3. 国民健康保険と後期高齢者医療制度は葬祭費

ここからは、自営業の方や75歳以上の方が加入する制度を見ていきます。

3.1 法律には金額が書かれていない

国民健康保険法第58条は、市町村および組合は被保険者の死亡に関して、条例または規約の定めるところにより葬祭費の支給または葬祭の給付を行うものとする、と定めています。

後期高齢者医療制度も同じです。高齢者の医療の確保に関する法律第86条で、後期高齢者医療広域連合は条例の定めるところにより葬祭費の支給または葬祭の給付を行うものとする、とされています。

3.2 金額は自治体や広域連合ごとに違う

条例で定めるということは、金額は保険者ごとに決められるということです。国民健康保険なら市区町村、後期高齢者医療制度なら都道府県ごとの広域連合が決めます。

健康保険のように全国一律の額が示されているわけではありません。引っ越しをした方や、家族で加入先が違う方は、同じ「亡くなったときの給付」でも中身が変わることになります。

加入している制度によって、金額の決まり方そのものが違います2/2

加入している制度によって、金額の決まり方そのものが違います

出所:全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」e-Gov法令検索「国民健康保険法」e-Gov法令検索「高齢者の医療の確保に関する法律」をもとにLIMO編集部作成

太田 彩子

役場にいたころ、亡くなったあとの手続きは複数の窓口にまたがることが多く、案内をする側でも順番の整理が必要でした。加入していた制度がどれかを先に確かめておくと、進めやすくなります。