8月末を基準日とする株主優待・配当の権利付き最終日が27日ですでに通過し、市場の関心は次の基準日である9月30日の権利確定銘柄へと移りつつあります。こうしたなか、業績が堅調で優待人気の高い銘柄の一つとして注目されるのがラウンドワン<4680>です。

株価は28日、前日比28.0円高(+2.12%)の1,347.5円で取引を終えました。8月12日につけた年初来高値1,409円からは値幅調整が続く一方、5月15日の年初来安値788円からは大きく水準を切り上げており、高値圏でのもみ合いが続いています。

株価を支えているのは、10日に発表した2027年3月期1Q決算で示された増収基調と、国内外での事業拡大です。決算は、売上収益が513億7,700万円(前年同期比18.2%増)、営業利益は63億3,900万円(同4.3%増)、税引前四半期利益は52億6,700万円(同2.1%増)となった一方、最終利益は33億6,800万円(同1.1%減)と、増収増益の裏で最終利益だけが前年を下回る結果になりました。

この背景には、金融費用が前年同期の10億7,200万円から14億3,800万円へと34.1%増加したことと、法人所得税費用が17億5,100万円から18億9,900万円へ8.5%増加したことがあります。社債及び借入金の合計は前期末の491億1,600万円から当第1四半期末には645億5,600万円へと154億4,000万円(31.4%増)増加しており、出店投資などに伴う有利子負債の積み上がりが金融費用増加の背景にあるとみられます。

ココがポイント
  • 2027年3月期第1四半期は売上収益18.2%増の513億円、営業利益4.3%増も金融費用・税負担の増加で最終利益は1.1%減
  • クレーンゲーム専用エリアの多店舗展開や新規出店で国内事業は各収入項目とも2ケタ増、通期は増収増益を計画
  • 次回の株主優待の権利付き最終日は9月28日、100株保有で年4回もらえる優待券の中身

1. クレーンゲーム専用エリアの拡大が牽引する国内事業

売上増収を支えているのが国内事業です。2026年5月にはさいか屋横須賀店(神奈川県)を新規オープンしたほか、食品や日用品などの景品を中心としたクレーンゲーム専用エリア「とれすぎ〜のアイランド」を6月末時点で76店舗にまで拡大しました。

この結果、日本セグメントの収入は、ボウリングが前年同四半期比11.3%増、アミューズメントが同21.3%増、カラオケが同14.8%増、スポッチャが同13.7%増と、いずれの項目も2ケタ増となり、米国事業も景品投入とコラボキャンペーンを軸に同様の伸びを見せています。クレーンゲーム関連施策への依存度が高まっている点は事業運営上のリスク要因の一つですが、売上原価率は前年同期の81.5%から当第1四半期は80.5%に改善しています。

会社側は通期(2027年3月期)の業績予想を修正しておらず、売上収益2,190億9,000万円(前期比15.6%増)、営業利益330億5,000万円(同14.9%増)、税引前利益274億5,000万円(同8.0%増)、当期利益182億6,000万円(同9.9%増)という増収増益の計画を据え置いています。

第1四半期時点の進捗率は、売上収益が23.5%、営業利益が19.2%、税引前利益が19.2%、当期利益が18.4%となっており、屋内型複合レジャー施設という業態上、長期休暇の多い第2・第4四半期に売上が偏る季節性はあるものの、通期計画の達成には残り3四半期で計画比81.6%相当の利益を積み上げる必要があり、下期偏重の計画である点には留意が必要です。