この記事の読みどころ

マネックス証券の最近の売れ筋投資信託の傾向等を分析しました。

マイナス金利で運用が従来以上に難しくなっている中で、株式よりリスクが低く分配金利回りが高い毎月分配型の海外REIT(リート:不動産投資信託)に投資する投信が売れています。次に人気があるのは日本株の騰落を享受するブル型・ベア型投信です。

マネックス証券サイトの月間ページ閲覧ランキングではヘルスケア・バイオファンドに注目が集まっています。成長株投資の熱量上昇という見方もできますが、市場の物色の閉塞感の現れかもしれません。

世界的に株が上昇した2016年4月11‐15日

4月11‐15日は世界的に株価が上昇しました。円高と原油価格下落が落ち着き、中国で景気に対してプラスの指標が出てきたことなどから、リスクオンの相場になりました。

とはいえ、ここのところ株式市場の騰落が激しく、この週の株価の上昇が自律反発なのか新しい上昇相場の入り口に立ったと言えるのか、まだ判断できない相場つきでした。

では個人投資家はこうした投資環境の文脈の中でどう行動したのでしょうか。

マネックス証券の2016年4月11‐15日の投信全銘柄売れ筋ランキングを見る

まず、全体ランキングです。

第1位:楽天日本株4.3倍ブル

第2位:日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)

第3位:ワールド・リート・オープン(毎月決算型)

第4位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

第5位:MHAM J-REITインデックスファンド(毎月決算型) (ビル オーナー)

マネックス証券の2016年4月11‐15日のNISA売れ筋ランキングを見る

では、NISAの売れ筋ランキングはどうでしょうか。

第1位:ワールド・リート・オープン(毎月決算型)

第2位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

第3位:ひふみプラス

第4位:フィデリティ・USリート・ファンド B

第5位:ニッセイ日経225インデックスファンド

利回り志向と相場の上げ下げを機敏に取りに行く投資スタンスは変わらず

このランキング上位を見ると、個人投資家の投信売買動向に見られるパターンは従来から大きく変化していないと思います。

つまり、日本株の騰落を積極的に狙うブル型投信等を購入する層、オプションの売却による収入などで分配金を積み増そうとする層、そして相対的に利回りの高いグローバルREIT(リート)を狙う層がそれぞれ引き続き投信を買っています。

その中でNISAについては中長期でバイ&ホールドに向いた投信が売れています。

ヘルスケア・バイオへの関心も高い

このように売れ筋投信をみると、利回りを訴求するタイプの投信が人気なことがわかります。IoTやロボットなどに関連するような投信が高い人気を集めているわけではありません。

しかし個人投資家がテーマ投資を全く無視しているのではないようです。3月のマネックス証券のサイト月間ページ閲覧ランキングの5位に「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」が入っています。

日本でもここのところ、そーせいグループ(4565)、アキュセラ・インク(4589)、サンバイオ(4592)、ナノキャリア(4571)などの株価が急騰しています。

このジャンルは中長期の成長株投資としても短期的なトレーディングとして注目される分野です。また、経験則的には相場の物色の行き詰まり局面で資金が集まる分野でもあります。

ヘルスケアやバイオの領域で、個人投資家が短期の値幅を狙いに行くのか、中長期でバイ&ホールドするのか、大いに注目したいところです。

【2016年4月20日 投信1編集部】

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LIMO編集部