9月から10月にかけては、敬老の日や年金の支給時期が重なり、老後の受け取り方を考えやすい季節です。あと数年で60歳を迎える50歳代にとって、この時期に考えたいのが「年金の受け取り方」です。
老後の家計は、年金という収入の柱と、これまで築いた貯蓄で成り立ちます。まずは同じ世代がどれくらい蓄えているのかを、平均と中央値の両方で確かめておきましょう。
そこで今回は、50歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値を確認します。あわせて、60歳から受け取れる「繰上げ受給」の注意点を、元証券会社員の視点で整理していきましょう。
- 50歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値はいくらか
- 60歳から受け取れる「繰上げ受給」のしくみ
- 減額は生涯続き、取り消せないという注意点
1. 【50歳代】二人以上世帯の中央値は700万円に。平均貯蓄額は
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
1.1 50歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 50歳代二人以上世帯:平均1908万円/中央値700万円
平均は1908万円、中央値は700万円です。2000万円以上の世帯が26.9%まで増える一方、貯蓄のない世帯も18.2%残り、老後を前に世帯ごとの差が広がっていきます。
平均が中央値を大きく上回るのは、蓄えの厚い一部の世帯が全体を引き上げているためです。平均額だけをみて安心したり落ち込んだりせず、実感に近い中央値もあわせて、わが家の位置を確かめておきたいところです。
