総務省統計局が2026年5月に公表した家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄現在高は平均「1717万円」でした。前年から138万円、8.7%の増加です。
二人以上の世帯全体の平均は2059万円ですから、それより340万円ほど少ない水準になります。勤労者世帯の中央値は1015万円でした。
「1年で138万円も増えた実感はない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、勤労者世帯の貯蓄が1年のあいだに何によって増えたのかを、種類別の内訳で確認します。
- 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄現在高は2025年平均で1717万円、前年から138万円・8.7%の増加
- 中央値は1015万円。年間収入は824万円で、貯蓄年収比は208.4%になった
- 伸びをけん引したのは有価証券で1年に25.4%増えた一方、定期性預貯金はほぼ横ばいだった
1. 勤労者世帯の貯蓄は1717万円。1年で138万円増えた
勤労者世帯とは、世帯主が会社や官公庁などに勤めている世帯を指します。二人以上の世帯のうち56.2%がこれにあたります。
1.1 平均1717万円に対し、中央値は1015万円
勤労者世帯の貯蓄現在高は2025年平均で1717万円です。前年の1579万円から138万円、8.7%増えました。
ただし平均は貯蓄の多い世帯に引き上げられます。貯蓄を持っている世帯の中央値は1015万円で、前年の947万円から68万円の増加でした。
1.2 年間収入824万円に対し、貯蓄年収比は208.4%
勤労者世帯の年間収入は平均824万円で、前年から4.3%増えています。貯蓄現在高を年間収入で割った貯蓄年収比は208.4%となり、前年の199.9%から8.5ポイント上がりました。
年収のおよそ2年分が貯蓄にあたる計算です。収入の伸びより貯蓄の伸びのほうが大きかったことが、この比率の上昇に表れています。
2. 伸びをけん引したのは有価証券。1年で25.4%増えた
138万円の増加が何によるものかは、種類別の内訳を前年と比べると見えてきます。
2.1 有価証券は295万円から370万円になった
有価証券は1年で75万円、25.4%増えました。構成比は18.7%から21.5%に上がっています。
勤労者世帯の貯蓄で最も伸びたのは有価証券。定期性預貯金はほぼ横ばい1/2
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果」をもとにLIMO編集部作成
通貨性預貯金も588万円から641万円へ53万円、9.0%増えています。すぐ動かせるお金と、値動きのあるお金が同時に増えた1年でした。
2.2 定期性預貯金はほぼ横ばいだった
定期性預貯金は344万円から343万円へ、0.3%の減少です。構成比では21.8%から20.0%に下がりました。
金額としてはほとんど動いていませんが、貯蓄全体が8.7%増えたなかで横ばいだったため、占める割合は下がっています。
3. 負債もあわせて見ておく
貯蓄だけを見ると増えていますが、勤労者世帯は住宅ローンを抱えている時期にあたることも多い層です。
3.1 負債現在高は1034万円
勤労者世帯の負債現在高は2025年平均で1034万円でした。二人以上の世帯全体の681万円より350万円ほど多くなっています。
負債の大半は住宅・土地のためのものです。住宅を取得する年代と重なるため、勤労者世帯の負債は全体より多く出ます。
3.2 貯蓄から負債を引くと683万円
貯蓄現在高1717万円から負債現在高1034万円を差し引くと683万円になります。平均で見ると貯蓄が負債を上回っている状態です。
貯蓄の額だけでなく、返済がどこまで進んでいるかとあわせて見ておくと、家計の位置がつかみやすくなります。
