1つは収入源が分散化されないという点です。夫婦ともに働いていた場合、万が一どちらかの会社の業績が悪化してリストラされてしまっても、もう1人のお金でなんとかしのぐことができるでしょう。しかし女性が一度仕事をやめてしまうと、夫が病気やケガをしたり、万が一のことがあったときに、すぐに職場復帰できる保証はありません。

もう1つは、妻にとって逃げ道がないということ。もし離婚したら、経済力がない妻はどうやって生活していけばいいのでしょうか。そう考えると、どんなに夫に非がある場合でも我慢して結婚生活を継続しないといけないという状況に陥る場合もあるでしょう。

専業主婦であることのお金のリスク

実際に専業主婦から正社員になった女性に話を聞くことができました。彼女はいま、人材サービスの会社で働きながら、実家に子どもを預けて働いています。

正社員に復帰したきっかけは夫の不倫での離婚。耐えられなくなって離婚を考えたとき、自分が正社員として社会復帰できるか不安だったと言います。しばらくは派遣社員として職を得ていましたが、今後の子どもの教育資金のことなどを考慮して正社員を目指すことに。社員登用のある派遣先に職場を変更し、そこで正社員になることができました。

彼女は、「私が社会復帰できなかったら、不倫した旦那が気持ち悪くて仕方なくても我慢して結婚生活を続けていたかも」と過去を振り返ります。彼女の場合は年齢が比較的若く、結婚前の経験を活かせる職場だったことがプラスに働いたとはいえ、正社員になるまでには3年以上の時間がかかりました。このように、共働きで働くことは家計を助けるだけでなく、女性にとっての逃げ道を確保することでもあるのです。

まとめ

専業主婦として家族を支えることも立派な仕事です。しかし、専業主婦には上記のようなリスクもあります。また、子供の教育資金やマイホームのローン返済、老後のための資産形成などお金が必要な場面はイヤというほど出てきます。そのときには共働きでいたほうが安心感があるかもしれません。お互いを支えるパートナーとして、家族として、夫婦ともに働き、家事と育児を上手に分担して取り組んでいきたいものです。

大塚 ちえ