残暑が続き、電気代や食費の負担が重く感じられるこの時期。「うちだけが苦しいのだろうか」と、ふと不安になる方もいるのではないでしょうか。とくにひとりで暮らす70歳代にとって、家計のやりくりは切実なテーマです。
まずは、同世代のひとり暮らしがどれくらい貯めているのかを、平均と中央値から確かめてみましょう。そのうえで、高齢者世帯が家計をどう感じているのかを、データからみていきます。
今回は、70歳代のおひとりさま(単身世帯)の平均貯蓄額と中央値を確認し、高齢者世帯の生活意識をみていきます。
「苦しいのは自分だけ」と感じると、不安は大きくふくらみます。けれど、苦しいと答える世帯は全体でも過半数。決してひとりだけではありません。
大切なのは、他の世帯と比べることではなく、自分の収支のどこに重さがあるかを確かめること。そこから手をつければ、実感は少しずつ変わっていきます。
- 70歳代おひとりさまの平均貯蓄額と中央値
- 「生活が苦しい」は高齢者世帯で52.1%、全世帯55.4%より低い(国民生活基礎調査)
- 他人と比べず、自分の収支のどこが重いかをみる
1. 【70歳代おひとりさまの平均貯蓄額】中央値はいくらか?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、70歳代・単身世帯の金融資産保有額(平均・中央値)は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
1.1 70歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)
- 70歳代単身世帯:平均1489万円/中央値500万円
70歳代のおひとりさまは、平均1489万円・中央値500万円。より実感に近いのは中央値のほうでしょう。60歳代より中央値が上がるのは、退職金を受け取り終え大きな支出も落ち着いた人が増えたり、相続資産があったりするためとみられます。貯蓄がない人は20.4%、一方で2000万円以上は25.4%。
70歳代は長い老後を見すえ、蓄えを「使いながら守る」段階です。
