海外旅行に行くと、1回あたり平均でいくらかかるのでしょうか。円安が続くなか、旅行に出かける人がどれくらいいるのかもあわせて見ていきます。

JTBが公表している旅行動向の見通しから、日本人の海外旅行の最新予測を確認していきましょう。

海外旅行の費用、平均はいくら?
  • 2026年の海外旅行費用は1人あたり平均31万7200円(前年比104.5%)
  • 海外旅行者数は1550万人の予想(前年比102.6%)
  • 国内旅行(宿泊旅行)の7万2412円と比べて約4.4倍

1. 海外旅行の平均費用は31万7200円

JTBが、グループで実施したアンケート調査などから推計した結果をまとめた「2026年(1月~12月)の旅行動向見通し」によると、2026年の海外旅行の1人あたり平均費用は31万7200円の予想です。前年比では104.5%となっています。

2026年の海外旅行者数は前年比102.6%の見込みなのに対し、費用は104.5%と、人数の伸びよりも費用の伸びのほうが大きくなっています。1人あたりの支出は、前年より約1万3700円増えている計算になります。

なお、旅行者数と1人あたり費用をあわせた海外総旅行消費額は4兆9200億円(前年比107.4%)の見通しです。

2. 費用が上がっている理由

海外旅行の費用が伸びている背景には、航空運賃の上昇、現地の物価高、そして円安による実質的な負担増があると考えられます。同じ旅程でも、円換算した費用は年々上がっているということです。

海外旅行は、為替の影響を最も直接的に受ける消費のひとつです。円安局面では現地での支出が割高になるため、通常であれば手控えられやすくなります。それでも旅行者数が前年を上回る見込みだということは、行きたいという意欲がコスト増を上回っているといえるでしょう。

3. 国内旅行との費用差は約4.4倍

海外旅行の31万7200円という金額は、国内旅行と比べるとどれくらいの水準なのでしょうか。

観光庁「旅行・観光消費動向調査」の2025年年間値(確報)によると、日本人の国内宿泊旅行における1人1回あたりの旅行単価は7万2412円(前年比4.4%増)でした。

海外旅行の31万7200円は、この国内宿泊旅行の7万2412円と比べると約4.4倍にあたります。行き先や滞在日数、航空運賃の有無など前提は異なりますが、海外旅行が家計の中でもとくに大きな支出になりやすいことがうかがえます。

4. 海外旅行者数は1550万人の予想

費用だけでなく、旅行者数の見通しも確認しておきましょう。JTBの予測では、2026年の海外旅行人数は1550万人の予想です。

これは前年比にして102.6%となり、引き続き海外旅行意欲は上昇傾向にあるといえます。

伸び率は2.6%と、大幅な増加ではありません。しかし、円安が続くなかでもプラスを維持しているという点が重要です。

5. 人気の行き先1位は韓国26.7%

調査時点で考えている旅行先についての調査結果は、多い順に以下のとおりでした(複数回答)。

  • 韓国:26.7%
  • 台湾:21.0%
  • ヨーロッパ:18.7%
  • ハワイ:18.1%
  • 東南アジア:12.4%
  • グアム・サイパン:11.3%
  • オーストラリア:10.3%

1位は韓国の26.7%、2位は台湾の21.0%。上位2つを近隣のアジアが占めています。

近隣の国・地域の人気が高い一方で、ヨーロッパやハワイなどの中長距離も人気があります。3位のヨーロッパ18.7%、4位のハワイ18.1%は、韓国・台湾と比べても大きく離れてはいません。

6. 近距離と中長距離、二極化する選択

この結果からは、海外旅行の選び方が2つに分かれている様子がうかがえます。

ひとつは、近距離・短期間・低予算のスタイルです。韓国や台湾は、飛行機で2~3時間程度、週末を利用した2泊3日でも十分に楽しめます。費用も抑えやすく、気軽に何度も行けるのが魅力です。

もうひとつは、中長距離・長期間・高予算のスタイルです。ヨーロッパやハワイ、オーストラリアは、まとまった休みと予算が必要になります。その分、特別な旅行として位置づけられます。

1人あたり平均31万7200円という金額は、この2つのスタイルを平均した数字です。韓国旅行だけなら10万円以内で収まることもありますし、ヨーロッパなら50万円を超えることもあるでしょう。

7. 行き先によって変わる「必要な予算」

平均31万7200円という数字は、行き先の違いを平均した金額です。実際の予算は、距離と滞在日数で大きく変わります。

一般的な傾向として、韓国や台湾といった近距離であれば、航空券と宿泊を合わせても比較的抑えやすくなります。滞在も2泊3日程度が中心となり、現地での支出も限られます。

対してヨーロッパやハワイ、オーストラリアは、航空券だけでまとまった金額になり、滞在日数も長くなります。その分、食事や観光にかかる費用も積み上がります。

つまり平均額は、「気軽に何度も行く層」と「じっくり一度行く層」を混ぜた数字です。自分がどちらのスタイルかによって、参考にすべき水準は変わってきます。

行き先の候補を挙げるときは、航空券の相場、現地の物価、滞在日数の3つを掛け合わせて考えると、現実的な予算感がつかめます。

8. 海外旅行の予算をどう組むか

海外旅行は、家計にとって「特別支出」の代表格です。年に一度あるかないかの支出でありながら、金額は大きくなります。

  • 行き先を先に決めず、予算から逆算して候補を絞る
  • 航空券は早期購入で単価を下げる
  • 為替の変動を見込んで、予算に1割程度の余裕を持たせる
  • 積立で準備し、旅行後に家計が崩れないようにする

とくに為替の余裕は重要です。予約時と出発時でレートが変われば、現地での支出額は変わります。ぎりぎりの予算を組むと、現地で我慢することになりかねません。

月2万円を積み立てれば、1年で24万円。2年で48万円になります。行きたい場所に応じて、準備期間を設定するのが現実的です。

9. よくある質問

9.1 海外旅行の費用は平均いくらですか?

JTBの予測による2026年の見通しでは、1人あたり平均31万7200円(前年比104.5%)です。行き先によって、近距離なら10万円以内、ヨーロッパなど中長距離なら50万円を超えることもあります。

9.2 海外旅行の費用はなぜ上がっているのですか?

航空運賃の上昇、現地の物価高、円安による実質的な負担増が背景にあると考えられます。人数の伸び(102.6%)よりも費用の伸び(104.5%)のほうが大きくなっています。

9.3 海外旅行の費用を抑えるにはどうすればいいですか?

航空券の早期購入、韓国・台湾など近距離の行き先を選ぶこと、為替変動を見込んだ予算組みなどが有効です。積立で計画的に準備するのもひとつの方法です。

10. まとめにかえて

今回は、JTBの旅行動向見通しから海外旅行の平均費用や旅行者数の予測を確認しました。

  • 2026年の海外旅行費用は1人あたり平均31万7200円(前年比104.5%)
  • 海外旅行者数は1550万人の予想(同102.6%)
  • 人気の行き先は韓国26.7%、台湾21.0%、ヨーロッパ18.7%

円安でも旅行意欲は衰えていません。次の旅行先を考えるとき、この数字を参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

LIMO編集部