年金の振込通知書を開いて、記録が2行に分かれていることに気づく方がいます。片方が公的年金、もう片方が年金生活者支援給付金です。

この給付金は年金へ内側から加算されるのではなく、同じ口座へ別の振込として届きます。2026年度(令和8年度)の老齢の給付基準額は、月5620円です。

齊藤 慧
齊藤 慧
振込が2行に分かれていると、二重に入金されたように見えることがあります。通帳や振込通知書では、金額だけでなく名目まで目を通しておくと安心です。

この記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件と2026年度の給付額、支給日と請求手続きの流れを順に見ていきます。

なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
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ココがポイント
  • 年金生活者支援給付金は年金へ内側から加算されるのではなく、同じ口座へ別の振込として届きます
  • 支給は年6回、原則として偶数月の15日で、各回にその前月までの2カ月分がまとまります
  • 2026年度の老齢の給付基準額は月5620円ですが、これは保険料を480月すべて納めた場合の金額です

1. 年金生活者支援給付金は老齢・障害・遺族の3種類。請求書は薄緑色の封筒で届く

年金生活者支援給付金とは、基礎年金を受け取っている方が所得などの条件を満たしたときに、年金へ上乗せして支給されるお金です。

受け取っている年金の種類ごとに、それぞれの給付金が用意されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

すでに基礎年金を受け取っている方が、所得の下がったことなどをきっかけに新たに対象となった場合は、例年9月の第1営業日から順に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が薄緑色の封筒で届きます。

※老齢年金を繰上げ受給中の人は、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に届きます。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金」

このはがき型の請求書が届いた場合には、電子申請という選択肢もあります。

スマートフォンかパソコンとマイナンバーカードで手続きを済ませれば、郵送での提出はしなくてよくなります。

2. 老齢年金生活者支援給付金の支給要件は3つ。65歳以上と世帯全員の非課税が入口

3種類のうち、高齢者世帯の家計に最も広く関わるのが老齢年金生活者支援給付金です。ここから先は、この老齢の給付金だけに絞って見ていきましょう。

2.1 支給要件を図で確認。3つすべてを満たすことが条件

老齢年金生活者支援給付金【支給要件】1/3

年金生活者支援給付金制度について

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、次の3つの要件がそろった方です。どれか1つでも外れると支給されません。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※)である

3つめの判定には、障害年金や遺族年金といった非課税の収入は入りません。この点は誤解されやすいところです。

※昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

3. 老齢年金生活者支援給付金の給付額は月5620円が基準。支給は偶数月の15日

この給付金の金額は据え置きではなく、物価変動率を踏まえて年度ごとに改定される仕組みになっています。

2026年度分は、前年度から「+3.2%」の引き上げとなりました。

年金生活者支援給付金の支給金額2/3

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

3.1 2026年度の給付基準額は月額5620円。実際の平均は4146円どまり

2026年度の基準額は月額5620円です。ただし全員がこの額を受け取るわけではなく、保険料納付済期間などを反映して一人ひとりの金額が決まります。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、2025年3月時点の老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※)は4146円でした。

※2025年3月において認定されている平均給付金額です。給付基準額が月5310円だった令和6年度に支給されていた金額のため、2026年度の5620円とは基準が異なります。

3.2 支給日は偶数月の15日。前月までの2カ月分がまとまって届く

支給は年金と同じく年6回、偶数月の15日です(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)

振込先は年金と同じ口座ですが、入金は別扱いになります。そのため通帳には2つの記録が並びます。

各支払月に届くのは、その前月までの2カ月分です。10月なら8月・9月分、12月なら10月・11月分という組み合わせになります。

4. 国民年金・厚生年金の平均年金月額はいくら?所得要件の土台になる金額

要件の3つめで問われる「前年の年金収入等」は、これまでの加入状況で大きく変わります。平均的な水準を、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用して押さえておきましょう。

厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

5. 老齢年金生活者支援給付金の請求手続き。65歳到達時と受給中で流れが変わる

この給付金は、要件を満たしただけで自動的に年金へ乗るものではありません。公的年金本体と同じように、請求手続きを済ませて初めて受け取れます。

手続きの流れは、これから65歳を迎える方と、すでに老齢年金を受け取っている方で分かれます。順に見ていきます。

5.1 これから65歳を迎える人は年金の請求書と一緒に提出

65歳の誕生日の3カ月前になると、老齢基礎年金の請求書に給付金の請求書が同封されて届きます。

必要事項を書き込み、年金の請求書とまとめて最寄りの年金事務所へ提出します。

5.2 すでに老齢年金を受け取っている人は9月以降に届くはがきで手続き

冒頭で触れたとおり、すでに老齢年金を受け取っている方が所得の低下などで新たに対象となった場合、毎年9月の第1営業日から順に、はがき型の請求書が届きます。

必要事項を書き込んで、郵便ポストへ投函すれば手続きは終わりです。

5.3 2年目以降は手続き不要。要件を満たす限り継続する

一度請求を済ませれば、支給要件を満たしている間は2年目以降の手続きが要りません。

継続支給の判定は前年の所得にもとづいておこなわれ、その結果が毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。

金額が変わったときは「年金生活者支援給付金支給金額変更通知書」、対象から外れたときは「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。

齊藤 慧
齊藤 慧
基準額の月5620円がそのまま届くわけではなく、金額は保険料を納めた月数に比例します。振込額に疑問が残るときは、年金事務所やねんきんダイヤルへ問い合わせてみてください。