僕は自分の父が嫌いです。

ただ、嫌いと言っても憎んでいるわけではありません。

自分の親なので育ててくれた恩があるし、愛情も持っています。しかし、好きか嫌いかと言われれば、どう考えても嫌いなのです。

これは薄情なのではなくて、正直なだけだと、自分では思っています。

なるべく一緒に会話したくありませんし、同じ時間を過ごしたくありません。父のこれまでの人生や、どんなことを考えているかについて、全く関心がありません。

僕は父について、あまりにも知識がなく、どんな人なのか今でもよく分かっていない点が多くあると思います。

「お父さんと話すと嫌な気持ちになる」

父のことは、昔からあまり好きではありませんでした。

基本的に僕のことを認めてくれない人物であり、僕の考えに興味がありません。何か主張があっても、聞いてくれたことはありません。

「何を言ってるんだ」とよく言われた気がします。

『お父さんと話すと嫌な気持ちになる』と僕は小さいころから刷り込まれていました。
僕の意見を言うと、より父の意見が強く返ってくるだけ。

そんな父に僕は早くから絶望し、自分の意見を言いたくなくなってしまいました。

思春期の頃、父が僕に叱らずに話をしてくれることもあるにはあったんです。
しかし、感情的にならないだけで話の内容は全く一緒。自分の主張は話す前と変わらず、説得されるだけ。

どんなに華やかな世界も、父と会話した後は白黒になってしまうような、そんな気がしました。
母にも同じように接している姿を見て、僕は子どもの頃から父に不信感がありました。

結局、僕は自分の世界をつまらない世界にしたくないので、今でも真剣な話を父としないようにしています。世間話や近況の話を少しするだけに留めるのです。

僕にとって父は親ですが、心を開いて話せる人物ではありません。

結婚を機に父と接する必要がなくなった