iDeCo(個人型確定拠出年金)を続けていると、毎月の残高からわずかな金額が引かれていることに気づく方もいるでしょう。掛金がそのまま全額運用に回っているわけではありません。
国民年金基金連合会は、加入者が負担する手数料を見直すと公表しました。掛金を納めるときにかかる手数料が、これまでの1回105円から月120円に変わり、2027年1月の納付分から適用されます。
金額そのものは小さいのですが、この改定には金額以上に意味のある変更が含まれています。この記事では、iDeCoでかかる手数料の全体像と、改定によって誰の負担がどれだけ変わるのかを確認していきます。
- 掛金を納めるときの手数料が1回105円から月120円へ。2027年1月の納付分から
- 加入時の2829円と、受け取るときの440円は据え置き
- 年1回まとめて拠出して手数料を抑える方法は、改定後は使えなくなる
1. iDeCoの手数料は3つの場面でかかる
まず全体像を押さえておきます。iDeCoの手数料は、加入するとき、加入している間、受け取るときの3つの場面に分かれています。
1.1 加入するときは2829円
iDeCoに新しく加入するとき、国民年金基金連合会に2829円を支払います。企業型確定拠出年金などから資産を移すときも同じ金額です。これは最初の1回だけで、毎年かかるものではありません。
1.2 加入している間は毎月かかる3種類
加入している間にかかるのは3種類です。掛金を納めるたびに国民年金基金連合会へ105円、資産を管理する事務委託先金融機関へ毎月66円、そして口座を運営する運営管理機関へ支払う手数料です。
このうち運営管理機関の手数料は金融機関によって異なります。0円としているところもあり、金融機関の選び方で差が出るのはこの部分です。
1.3 受け取るときは1回440円
積み立てた資産を受け取るときは、1回の振込につき440円がかかります。年金として分割で受け取る場合は受け取るたびにかかるため、回数が多くなるほど負担も増えます。
2. 2027年1月から「1回105円」が「月120円」になる
今回の改定で変わるのは、加入している間にかかる国民年金基金連合会の手数料です。
2.1 金額が上がるだけでなく、数え方が変わる
これまでは掛金を納める1回につき105円でした。改定後は月120円となり、拠出した期間の月数に応じて計算されます。単価が15円上がるという話にとどまらず、何を単位に数えるかが変わる点が重要です。
国民年金基金連合会は、物価や人件費の上昇を理由として挙げています。消費税率の引き上げにともなう見直しを除くと、実質的な値上げは15年ぶりとなります。
2.2 加入時と受け取り時は変わらない
加入するときの2829円と、受け取るときの440円は据え置きです。今回の見直しは、加入している間の手数料に限られています。
3. 年1回まとめて拠出している人は負担が大きく変わる
数え方が変わることで、影響の大きさは拠出のしかたによって分かれます。
3.1 毎月拠出している人は年180円の増加
毎月拠出している場合、これまでは105円が12回で年1260円でした。改定後は120円が12ヶ月分で年1440円になります。事務委託先金融機関の66円を12ヶ月分足すと、年2052円から年2232円へ、180円の増加です。
3.2 年1回拠出している人は年1335円の増加
一方、年1回にまとめて拠出している場合はこれまで105円が1回きりで、事務委託先金融機関の分と合わせて年897円でした。改定後は拠出が1回でも月数に応じて計算されるため、年2232円になります。増加額は1335円で、毎月拠出している人の増加額の7倍を超えます。
iDeCoには掛金を年単位でまとめて納める仕組みがあり、手数料を抑える方法として選ばれてきました。改定後は拠出の回数にかかわらず同じ額になるため、この方法に手数料の面での利点はなくなります。
手数料は金額が小さいので後回しにされがちですが、iDeCoは何十年も続ける制度です。運営管理機関の手数料は金融機関ごとに差があるので、加入する前に確認しておくと長い目で見て効いてきます。


