「毎月の年金振込を通帳で見ているけれど、支援給付金がどう反映されているのかよく分からない」と感じたことはありませんか。

日本年金機構は令和8年度の年金生活者支援給付金の基準額を月額5620円と発表しました。物価スライドで前年度の5450円から改定されています。老齢・障害・遺族の3種類があり、それぞれ対象になる所得要件が異なります。

この記事では、令和8年度の基準額と3種類の要件、そして通帳での振込確認方法まで含めて、元銀行員の視点から整理していきます。

ココがポイント
  • 令和8年度の基準額は月5620円で前年度から170円の引き上げ。物価上昇に連動する仕組み
  • 給付金は老齢・障害・遺族の3種類。老齢は前年所得80万9000円以下+世帯全員が住民税非課税が要件
  • 給付金は年金と同じ口座・同じ日に、年金とは別に振り込まれる。通帳には2件の振込が並ぶ

なお、年金生活者支援給付金の制度全体については、下記の記事より一部を引用・参照しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

1. 令和8年度の基準額と3種類の給付金

年金生活者支援給付金は、公的年金だけで生活を支える人への経済的な支援を目的に、2019年(令和元年)10月から始まった制度です。物価スライドで毎年見直され、令和8年度は基準額が月5620円と設定されました。

1.1 3種類の給付金

年金生活者支援給付金には、老齢・障害・遺族の3種類があります。老齢は65歳以上で老齢基礎年金を受給し、要件を満たす人が対象です。障害は障害基礎年金の受給者、遺族は遺族基礎年金の受給者がそれぞれ対象になります。

1.2 各給付金の令和8年度基準額

基準額はいずれも月5620円ですが、障害年金生活者支援給付金の1級受給者は月7025円と割増になります。遺族年金生活者支援給付金で2人以上の子が受給する場合は、5620円を子の人数で割った額が1人あたりの給付額です。

令和8年度の年金生活者支援給付金3種類と、それぞれの基準額を整理しています/0

年金生活者支援給付金は3種類(令和8年度) 給付基準額は月5620円。前年度の5450円から170円の引き上げ 老齢 65歳以上で老齢基礎年金を 受け取っている方 月5620円 所得に応じて減額される 「補足的老齢」もある 障害 障害基礎年金を 受け取っている方 障害等級1級 月7025円 2級は月5620円 遺族 遺族基礎年金を 受け取っている方 月5620円 子が2人以上のときは 子の数で割った額になる 遺族で子が3人の場合は、5620円を3で割った1人あたり月1873円が支払われる

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとにLIMO編集部作成

2. 老齢年金生活者支援給付金の対象要件

老齢年金生活者支援給付金は、世帯・所得の両方の要件を満たす必要があります。片方だけを満たしていても対象にはなりません。

2.1 要件①|世帯全員が住民税非課税

本人と同一世帯の全員が住民税非課税であることが要件です。世帯主・配偶者・その他の同居家族すべてが対象で、1人でも住民税が課税されている家族がいる場合は対象外になります。世帯全員の課税状況を確認しておく必要があります。

2.2 要件②|前年所得が80万9000円以下

本人の前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が80万9000円以下であることが2つ目の要件です。この金額は老齢基礎年金の満額基準に物価スライドを反映させた水準で、毎年度見直されます。

所得が80万9000円を超えても、90万9000円までは「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になります。この場合、5620円満額ではなく所得に応じて減額された金額が支給されます。

なお、ここまでの金額は昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合です。昭和31年4月1日以前に生まれた方は、80万6700円と90万6700円が判定の基準になります。

思い込みで判断してしまいやすい点については、LIMOの記事「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

また、「自分の年金は少ないから対象になるはずだ」と思い込んでいても、行政上の「収入」と「所得」の定義の違いや、過去の年金保険料の「免除期間」の扱いによって、想定していた金額を下回るケースもあるでしょう。

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

老齢年金生活者支援給付金の対象になる世帯・所得の2要件を整理しています/0

老齢年金生活者支援給付金の2つの要件 世帯と所得の両方を満たす必要がある。片方だけでは対象にならない 要件① 世帯 本人と同一世帯の全員が 住民税非課税であること 要件② 所得 本人の前年所得が 80万9000円以下であること 所得がいくらだと、どうなるか 80万9000円以下 老齢年金生活者支援給付金(月5620円が基準) 80万9000円超 90万9000円以下 補足的老齢年金生活者支援給付金(減額) 90万9000円超 対象外 ※ 金額は昭和31年4月2日以後生まれの方の場合。昭和31年4月1日以前生まれは80万6700円・90万6700円で判定する

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとにLIMO編集部作成

3. 通帳で確認する振込タイミング

制度の要件が理解できたら、次は「通帳で実際にどう見えるか」を押さえておきましょう。

3.1 年金と給付金は同じ日に、別々に振り込まれる

年金生活者支援給付金は、公的年金と同じ口座に、公的年金と同じ支給日(偶数月の15日。土曜・日曜・祝日の場合は前営業日)に振り込まれます。ただし年金と合算されるのではなく、年金とは別に振り込まれる扱いです。厚生労働省も「年金と同じ口座、同じ日に、年金とは別に振り込みます」と案内しており、通帳には2件の振込が並んで記載されます。

3.2 「支給額通知書」と明細で内訳を確認

年に1回、日本年金機構から届く「年金振込通知書」や、変更時の「支給額変更通知書」に、年金と給付金の内訳が記載されています。通帳の合計額とこれらの通知書を照合すると、実際に給付金がいくら振り込まれているかが確認できます。

ねんきんネットにログインすると、直近の支給明細もオンラインで確認できます。書面が手元にない場合の補助ツールとして便利です。

中本智恵

通帳と通知書をセットで見る習慣を持つと、給付金がいくら入金されているかが具体的に把握できます。家計簿で「年金分」と「給付金分」を分けて記録しておくと、翌年度の家計計画にも活かせます。