厚生労働省の最新データによると、女性の厚生年金受給額は平均約11万円と、男性と大きな差があることが分かりました。さらに、令和8年(2026年)10月からは、パートやアルバイトの方を対象とした「保険料調整制度」が新たにスタートします。
私自身も日頃のFP相談の中で、「扶養の範囲内で働くべきか、社会保険に入るべきか」と悩む声を多くお聞きします。
家計やライフスタイルに合った選択ができるよう、まずは現状の年金データと新しい制度について一緒に確認していきましょう。
- 厚生年金受給額の男女差と、女性のリアルな受給金額の分布
- 令和8年10月開始の「保険料調整制度」の仕組みと3つの対象条件
- 月収8万8000円の場合の社会保険料の軽減額と負担割合
1. 男女で月約5万8000円の差。厚生年金受給額の実態
会社員や公務員が加入する厚生年金ですが、受給額を男女別に見ると大きな差があることがわかります。
令和5年度末時点における、老齢年金(原則65歳から受け取れる年金)の平均月額は以下の通りです。
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
男女の平均額には、月額5万8554円もの差があります。厚生年金は、現役時代の収入額と加入期間によって将来の受給額が決まる仕組みです。女性の場合、出産や育児、介護などで働き方を変えたり、一時的に離職したりするケースが多いため、結果として平均受給額が男性よりも低くなる傾向にあると考えられます。
1.1 女性の約38%が月10万円未満。実際の受給額の分布
平均額だけでなく「実際にどの金額帯で受け取っている人が多いのか」を確認すると、老後の年金事情がより具体的に見えてきます。女性の厚生年金受給権者540万5752人について年金月額別に見ると、最も人数が多いボリュームゾーンは「10万円以上11万円未満」の81万3990人です。
さらに、月10万円未満の各階級を合計すると、女性は約206万人となります。これは女性の老齢年金受給権者の約38.2%にあたります。一方、男性は15万円以上の階級にも多く分布しており、男女で年金額の分布そのものが大きく異なっています。自身の将来の年金見込額は「ねんきん定期便」などで確認できるため、早い段階で目安を知っておくことが大切です。


