2026年も8月下旬を迎え、一年の折り返し地点を過ぎました。実は、前年の所得をもとに決定された税金や保険料が反映され、年金からの正確な天引き(本徴収)がスタートするのが、この夏から秋にかけての時期です。年金の振込通知書を見て、額面と実際に振り込まれる金額の差に驚いたことはないでしょうか。この差は何が引かれているのか、内訳まで確かめている方は多くありません。
年金から天引きされるのは、介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税です。日本年金機構によると、いずれも年金の年間受給額が18万円以上であることが条件になっています。
この記事では、年金から引かれる4つの中身、それぞれの金額の目安、そして天引きが止まることがある理由を順に確認していきます。
なお、老後の家計収支に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 年金から引かれるのは介護保険料・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税
- いずれも年金の年間受給額18万円以上が条件。65歳以上と75歳以上で対象が入れ替わる
- 介護保険料の全国平均は月6225円、後期高齢者医療は令和8・9年度で月7989円
1. 年金から引かれるのは4種類
まず、何が天引きされているのかを整理していきます。年金からの天引きは「特別徴収」と呼ばれる仕組みです。
1.1 年齢で対象が入れ替わる
日本年金機構によると、特別徴収の対象は次のとおりです。いずれも老齢もしくは退職などを支給事由とする年金で、年間の受給額が18万円以上であることが前提になります。
- 介護保険料:65歳以上の方
- 国民健康保険料(税):65歳以上75歳未満の方(後期高齢者医療制度の該当者を除く)
- 後期高齢者医療保険料:75歳以上の方、もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に該当する方
- 住民税および森林環境税:65歳以上の方
医療保険の部分は、75歳の誕生日を境に国民健康保険から後期高齢者医療へ切り替わります。天引きされる項目の名前が変わるだけで、引かれること自体は続きます。
1.2 森林環境税も年金から引かれる
見落とされやすいのが森林環境税です。住民税とあわせて特別徴収の対象になっており、年額1000円が住民税に上乗せされる形で徴収されます。
通知書では住民税と一体で表記されることが多く、単独の項目として気づきにくくなっています。
2. それぞれいくらくらい引かれるのか
金額は自治体や所得によって変わりますが、全国平均の目安があります。
2.1 介護保険料は月6225円が全国平均
厚生労働省によると、第9期(令和6年度から令和8年度)の介護保険第1号保険料の基準額は、全国加重平均で月6225円です。第8期(令和3年度から令和5年度)の6014円から211円上がりました。
これはあくまで基準額で、実際の金額は所得段階に応じて上下します。住民税非課税の方であれば基準額より低く、所得の高い方は高くなります。
2.2 後期高齢者医療は令和8・9年度で月7989円
後期高齢者医療の保険料は、令和8・9年度の全国平均で月7989円となる見込みです。令和6・7年度の7411円から578円の引き上げです。
75歳以上の方であれば、介護保険料6225円とあわせて月1万4000円ほどが年金から引かれる計算になります。年間では17万円近くです。
75歳以上では介護保険料と後期高齢者医療保険料の両方が引かれます2/2
出所:厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」をもとにLIMO編集部作成
2.3 手元に残る金額で家計を組む
これらが引かれたあとの金額が、実際に使えるお金です。65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計については、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
収入の内訳を見ると、合計25万4395円のうち、公的年金などの社会保障給付が22万8614円と約9割を占めています。一方、支出は消費支出と非消費支出を合わせて29万6829円です。
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
支出に含まれる非消費支出が、まさに今回の保険料や税にあたる部分です。家計の計画は額面ではなく、天引き後の金額で立てる必要があります。

