年金の話題では「60歳代の平均はいくら」という数字がよく出てきます。ただ、年齢別の平均を見ても、自分がいくら受け取れるのかは分かりません。

年金額を左右するのは、年齢ではなく加入した期間と、その間の報酬です。令和8年度の老齢基礎年金は40年間納めた場合の満額が月7万608円で、納めた月数に比例して決まります。

この記事では、公的年金の2階建てのしくみを確認したうえで、加入期間を20年・30年・40年に分けた早見表を示します。あわせて厚生労働省が公表した年齢別の平均月額と並べ、自分の位置を測るための3つのポイントを見ていきましょう。

ココがポイント
  • 老齢基礎年金は納めた月数に比例。令和8年度は40年で月7万608円、30年で月5万2956円、20年で月3万5304円
  • 老齢厚生年金の報酬比例部分は、平均標準報酬額に1000分の5.481と加入月数を掛けて計算する
  • 平均標準報酬額30万円なら、20年で月3万2886円、30年で月4万9329円、40年で月6万5772円
  • 令和6年度末の厚生年金の平均月額は全体15万289円、男性16万9967円、女性11万1413円

1. 公的年金の2階建てのしくみ

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つから構成される「2階建て」構造です。それぞれ加入対象と年金額の決まり方が違います。

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)

国民年金の加入対象は、原則として国内居住者のうち20歳以上60歳未満のすべての人です。年金保険料は全国一律で、年度ごとに見直されます(※1)。40年間保険料を漏れなく納めた人は、65歳以降に満額の老齢基礎年金(※2)を受給できます。

1.2 2階部分:厚生年金

厚生年金に加入するのは、会社員や公務員、さらに一定の要件を満たして働くパートなどで、国民年金とあわせて加入する制度です。保険料は給与水準によって決まり(上限あり)、老後の受給額は加入した期間と支払った保険料によって個人ごとにばらつきが出ます。

令和8年度の年金額は、前年度から国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額改定となりました。国民年金は満額で月7万608円(1人分)、厚生年金はモデル世帯で月23万7279円(夫婦2人の合計)です。

2. ポイント1:老齢基礎年金は納めた月数に比例する

まず1階部分です。ここは計算がわかりやすく、納付済期間の月数だけで決まります。

2.1 納付期間別の月額

納付月数が480月に満たない場合は、満額に「納付月数÷480」を掛けた額になります。令和8年度の満額をもとに計算すると、10年で月1万7652円、20年で月3万5304円、25年で月4万4130円、30年で月5万2956円、35年で月6万1782円、40年で月7万608円となります。

3. ポイント2:老齢厚生年金は報酬と期間のかけ算で決まる

2階部分の報酬比例部分は、加入期間だけでなく、その間の報酬水準もかけ算で効いてきます。

3.1 計算式

平成15年4月以降の期間については、平均標準報酬額に1000分の5.481を掛け、さらに加入月数を掛けた額が年額になります。平成15年3月までの期間は、平均標準報酬月額に1000分の7.125を掛けて計算します。

平均標準報酬額とは、賞与を含めた報酬の平均額です。額面の月収そのものではない点に注意が必要です。

3.2 報酬と期間の組み合わせで見る月額

平成15年4月以降の式で試算すると、平均標準報酬額が20万円の場合は20年で月2万1924円、30年で月3万2886円、40年で月4万3848円です。30万円なら20年で月3万2886円、30年で月4万9329円、40年で月6万5772円になります。40万円の場合は20年で月4万3848円、30年で月6万5772円、40年で月8万7696円です。

老齢厚生年金 報酬比例部分の月額 平均標準報酬額別・加入期間別の早見表2/2

老齢厚生年金 報酬比例部分の月額 平均標準報酬額別・加入期間別の早見表

出所:日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」の年金額計算式をもとにLIMO編集部作成

表を斜めに見ると、報酬30万円で40年と報酬40万円で30年が同じ月6万5772円になります。報酬が低くても長く加入すれば追いつける、という関係が読み取れます。