6. 【試算】年金と家計、夫婦のみ世帯で年金が月20万円なら足りるのか
ここからは自分の年金額を当てはめてみます。取り上げるのは夫婦のみ世帯で年金が月20万円というケースです。
支出側は家計調査の平均、月29万6829円とします。
6.1 年金月20万円でも毎月9万6829円が足りない
- 世帯:夫婦のみ世帯
- 年金:月20万円
- 支出:月29万6829円
- 毎月の過不足:-9万6829円の不足
- 年間:-116万1948円
- 25年の累計:-2904万8700円
年金が月20万円あっても、毎月9万6829円が足りません。平均の赤字額4万2434円の2倍を超える水準です。
年間では116万1948円、65歳から90歳までの25年間では2904万8700円になります。平均貯蓄2494万円をすべて充てても届かない計算です。
※支出額は消費支出と非消費支出(税金・社会保険料)の合計です。年金の額面と突き合わせられるよう支出側も総額で揃えています。夫婦のみ世帯は消費支出26万3979円と非消費支出3万2850円、単身世帯は消費支出14万8445円と非消費支出1万2990円の合計です。非消費支出は実収入25万4395円(単身世帯は13万1456円)の平均世帯が負担している金額なので、年金額が低い世帯では実際の負担はこれより小さく、不足額もその分小さくなります。
夫婦世帯では、世帯の年金が月30万円あたりが収支の分かれ目です。それを下回る限り、貯蓄を取り崩す前提で組み立てることになります。
6.2 25年分をまかなうには2904万8700円。20年なら2323万8960円
毎月9万6829円の不足を65歳から90歳までの25年間まかなうには、2904万8700円が必要です。20年間なら2323万8960円、15年間なら1742万9220円になります。
何歳まで見込むかで必要額は大きく動きます。長生きを前提に置くほど、用意する金額は膨らみます。
この金額は平常時の生活費を埋めるためのものです。介護費用や住宅の修繕費は含まれていませんので、実際にはさらに上乗せした備えが要ります。
不足が大きいと感じたら、支出の見直しや働く期間を延ばすことも選択肢になります。まずはいまの資産と突き合わせて、過不足を確かめてみてください。
7. 【まとめ】年金と家計は貯蓄の減少と毎月の赤字を合わせて見る
65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2494万円で、2024年から66万円減りました。6年ぶりのマイナスで、取り崩しが進んでいることがうかがえます。
家計は実収入25万4395円に対して支出29万6829円、毎月4万2434円の不足です。有職世帯を含めた貯蓄の中央値は1777万円で、平均値とは約790万円の開きがありました。
国民年金の平均月額は5万9310円、厚生年金は15万289円ですが、個人差は大きくなります。自分の見込額をねんきん定期便で確かめ、支出と並べてみてください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2025年(令和7年)平均結果の概要―(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
LIMO編集部貯蓄解説班