5. 【老齢年金生活者支援給付金】保険料31年(372月)分の受取額は月4356円
老齢の給付額は、480月に対する納付済月数の割合が基準額に掛かって決まります。372月なら、その割合は0.775です。
ここで取り上げるのは、その納付済期間372月、年数にして31年間のケースです。
5.1 納付372月の月額は4356円、年額は5万2272円
- 保険料納付済期間:372月(31年)
- 月額:4356円
- 年額:5万2272円
- 満額(480月)の月5620円との差:月1264円
- 20年間受け取った場合の累計:104万5440円
※算出には給付基準額5620円を用い、納付済月数の480に対する割合を掛けています。円未満は四捨五入。免除期間分の上乗せは別計算になります。このケースでは5620円×372÷480=4356円という計算になります。
372月を納めた方の受取額は月4356円です。基準額との差は月1264円まで縮まってきます。
20年間受け取り続けた場合の累計は104万5440円です。納付372月に対応する老齢基礎年金はおよそ65万6654円で、所得基準80万9000円に収まる水準のため、給付金の対象になる可能性は高いといえます。
5.2 384月にすると月4496円。上積みは月140円
納付済期間を12月増やすと、給付金は月140円増えて4496円になります。年額では5万3952円、20年間の累計では107万9040円です。
372月から384月へ伸ばす手立ては、60歳以降に国民年金へ任意加入すること、そして過去の未納分を追納することです。任意加入は60歳から65歳までの間に使えます(受給資格期間を満たしていない場合は70歳まで)。
12月分の保険料はおよそ21万円に対し、給付金の増加は年1680円。給付金だけで回収するには長い年数がかかります。ただし老齢基礎年金も年2万1182円ほど増えるため、両方を合わせれば10年程度で見合う計算になります。
満額までは残り108月分です。手元のねんきん定期便を開いてみてください。納付済月数と免除期間の内訳が載っており、そこから自分の給付金額が計算できます。
6. 年金生活者支援給付金の所得基準は種類ごとに違う。老齢は80万9000円以下
年金生活者支援給付金の所得の線引きは、老齢が前年の年金収入等80万9000円以下、障害と遺族が前年の所得479万4000円以下です。障害と遺族の基準は扶養親族等の数に応じて上がり、判定に非課税の収入は含まれません。
老齢はこれに加えて、65歳以上であることと世帯全員の市町村民税非課税という2つが必要になります。世帯単位で見られるのは3種類のうち老齢だけです。
2026年度の月額は老齢の基準額5620円、障害1級7025円・2級5620円、遺族5620円で、前年度から+3.2%の増額改定となりました。自分がどの基準で判定されるのか分からないときは、年金事務所で確かめてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
齊藤 慧