「厚生年金は将来いくらもらえるのか」「長生きした場合の生活費や医療・介護費にどう備えればいいのか」。
老後の暮らしを考えるとき、気になるポイントは人それぞれです。
公的年金は老齢年金だけでなく、病気やケガで障害を負ったときや、家族を残して亡くなったときの備えでもあります。あわせて、平均寿命の伸びや認知症リスク、終活への意識も、老後設計に欠かせないテーマです。
この記事では、厚生年金の受給額分布と障害年金・遺族年金の給付水準、平均寿命と認知症の現状、終活の実態までを整理していきます。
なお、厚生年金の受給額や老後の家計・資産管理に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円。受給額の分布は10万円台にピークがあり、20万円以上は少数派
- 公的年金には老齢年金だけでなく障害年金・遺族年金もあり、令和6年度の平均月額は厚生年金保険で障害7万9,220円・遺族6万7,703円。いずれも非課税所得
- 平均寿命は男性81.35歳・女性87.33歳まで伸び、65歳以上の約3人に1人が認知症・MCIの状態。終活やエンディングノートの準備も重要なテーマになっている
1. 厚生年金、国民年金と合わせても月10万円に満たない人は少なくない?!
厚生年金の平均月額と受給額の分布については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(国民年金の金額を含む)。1万円ごとの受給額分布をみると、10万円以上11万円未満が111万2828人と最も多く、次いで11万円以上12万円未満が107万1485人、15万円以上16万円未満が96万5035人と続きます。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じます。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
2. 公的年金は「老後」だけの備えではない、障害年金・遺族年金という保障
前章で見てきた受給額はいずれも「老齢年金」の話です。しかし公的年金の役割は老後の生活費だけにとどまりません。
病気やケガで一定の障害状態になったときの「障害年金」、一家の働き手が亡くなったときに遺族の生活を支える「遺族年金」も、公的年金の重要な柱です。
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度末現在の受給権者の平均年金月額は、厚生年金保険(第1号、基礎年金を含む)で老齢年金15万289円に対し、障害年金7万9,220円、遺族年金6万7,703円となっています。
国民年金(基礎年金のみ)では、老齢年金5万9,310円に対し、障害年金7万4,501円、遺族年金6万5,930円です。老齢年金と比べると金額は小さく見えるかもしれませんが、障害年金・遺族年金には老齢年金にはない特徴があります。
それは、これらが所得税法上非課税である点です。老齢年金は公的年金等控除を差し引いたうえで課税対象になりますが、障害年金・遺族年金は金額のすべてが非課税所得として受け取れます。
出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(受給権者の平均年金月額)をもとにLIMO編集部作成
老後の受給額に目が向きがちですが、公的年金は「長生きした場合」だけでなく「万一のとき」にも備える保険としての側面を持っています。ねんきん定期便などで老齢年金の見込額を確認する際は、あわせて障害年金・遺族年金の仕組みも押さえておくと、老後設計の全体像がより明確になります。



