公的年金に上乗せして受け取れる年金生活者支援給付金は、2026年度(令和8年度)に月額5620円へ増額改定されました。6月に支給された4月分から、新しい金額が反映されています。

この給付金の対象になるのは、65歳以上で世帯全員が市町村民税非課税といった要件を満たす方です。ただし老齢年金生活者支援給付金の場合、5620円がそのまま全員に届くわけではありません。

L齊藤 慧
5620円は基準額です。老齢年金生活者支援給付金の実際の金額は国民年金の保険料を納めた月数で決まるため、まずは自分の納付記録を確かめておくと安心です。

本記事では、2026年度の年金生活者支援給付金の給付額と対象者の要件、そして請求手続きの流れについて解説します。

なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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ココがポイント
  • 2026年度の年金生活者支援給付金は前年度から3.2%の増額改定となり、老齢の基準額は月5620円になりました
  • 老齢年金生活者支援給付金は「65歳以上」「世帯全員が市町村民税非課税」「前年の年金収入等が80万9000円以下」の3要件を満たす方が対象です
  • 対象と判定された方には日本年金機構から請求書が届き、返送または電子申請による請求手続きが必要です

1. 年金生活者支援給付金は2026年度に月5620円へ。3.2%の増額改定が6月支給分から反映

年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定の基準に満たない場合に受け取れる給付金です。老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれに給付金が用意されており、2カ月に一度、公的年金へ上乗せして支給されます。

金額は公的年金と同じく年度ごとに見直され、2026年度は前年度から3.2%の引き上げが決まりました。増額率は、6月に支給された4・5月分から適用されています。

1.1 老齢・障害・遺族で異なる2026年度の月額

2026年度の年金生活者支援給付金の支給金額1/5

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

3種類の給付金の2026年度月額は、次のとおりです。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

このうち老齢年金生活者支援給付金だけは、5620円を基準額として、保険料納付済期間などをもとに一人ひとりの給付額が計算されます。障害と遺族の給付金が定額であるのに対し、老齢は納付実績で金額が変わる仕組みです。

2. 年金生活者支援給付金の対象者は?老齢・障害・遺族それぞれの支給要件

年金生活者支援給付金には、3種類それぞれに支給要件が定められています。ここからは一つずつ順番に確かめていきましょう。

2.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要2/5

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

2.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件

障害基礎年金を受け取っている方の場合、所得の基準は次のように定められています。

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

※ 障害年金等の非課税収入は除く

障害年金生活者支援給付金の支給要件3/5

障害年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

2.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件

遺族基礎年金を受け取っている方についても、所得の基準額は障害の給付金と同じ水準です。

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

遺族年金生活者支援給付金の支給要件4/5

遺族年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

2.4 年金生活者支援給付金の対象になるかは年金額次第。受給額には大きな個人差がある

3種類のいずれも、前年の所得が支給要件を左右します。その所得の大部分を占めるのが公的年金ですが、受給額は人によって大きく異なります。

平均的な水準については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

3. 年金生活者支援給付金の請求手続きは?緑色・薄緑色の封筒で届く請求書

要件を満たしても、年金生活者支援給付金は自動では支給されません。受け取るには請求手続きが必要になります。

手続きの流れについては、LIMOの記事「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

支給対象と判断された方には、日本年金機構から請求に関する書類が送付されます。基本的には、その書類に必要事項を記入して返送するだけで手続きは完了します。これから老齢年金の受給を開始する方には、受給が始まる3カ月前に届く「年金請求書(事前送付用)」に「年金生活者支援給付金請求書」が同封され(緑色の封筒)、すでに年金を受給中の方にはハガキ形式の請求書が届きます(薄緑色の封筒)。

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

封筒の色は、これから年金を請求する方と受給中の方を見分ける手がかりになります。振込スケジュールの詳細も、同じ記事「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」で確認できます。

齊藤 慧
請求書が届いても、内容を確かめずにしまい込んでしまうと受け取り損ねる可能性があります。心当たりのある方は手元の通知や年金の記録を一度見直し、判断に迷うときは年金事務所やねんきんダイヤルへ確認してみてください。なお、給付金は原則として請求した月の翌月分からの支払いとなるため、早めに手続きを進めておくと安心です。