4. 【試算】年金生活者支援給付金、保険料10年(120月)分でいくら受け取れるのか
基準額の月5620円は、国民年金の保険料を480月すべて納め切った方に対応する金額です。480月に足りない分は、そのまま金額に反映されます。
受給資格期間の10年をちょうど満たした納付済期間120月のケースを、ここで計算してみます。
4.1 保険料10年分で受け取れるのは月1405円。満額との差は月4215円
- 保険料納付済期間:120月(10年)
- 月額:1405円
- 年額:1万6860円
- 満額(480月)の月5620円との差:月4215円
- 20年間受け取った場合の累計:33万7200円
※5620円に納付済月数を掛け、480で割って求めた金額です。円未満は四捨五入しており、このケースは5620円×120÷480=1405円となります。免除を受けた期間分は別枠で加算されるため、ここには含みません。
満額の4分の1にあたる月1405円が、この方の受取額です。40年フルに納めた方との開きは月4215円になります。
1カ月では小さな額に見えるかもしれません。20年分を積み上げると33万7200円ですから、受け取り続ける年数によって重みは変わってきます。
120月に対応する老齢基礎年金は年21万1824円ほどです。年金そのものが小さいので所得の要件は満たしやすく、受給資格期間の10年もクリアしているため年金は受け取れます。
4.2 120月から132月へ。1年分の上積みで月141円増える
納付済期間が132月になると、給付金は141円増えて月1546円になります。年額なら1万8552円、20年分では37万1040円です。
積み増す手立ては2つあります。ひとつは60歳以降に国民年金へ任意加入する方法、もうひとつは保険料の免除や納付猶予を受けた期間を追納する方法です。任意加入を使えるのは原則60歳から65歳までの間で、受給資格期間を満たしていない方は生年月日などの条件により70歳まで加入できる場合があります。追納の対象は承認された月の前10年以内の免除・猶予期間にあたり、未納だった月は納付期限から2年以内なら納められます。
費用の見当もつけておきましょう。12月分の保険料は令和8年度の月額1万7920円で計算すると約21万5000円で、給付金の増加は年1692円にとどまります。ただし老齢基礎年金も年2万1182円ほど上乗せされるため、2つを合わせると10年程度で見合う計算です。
480月までは360月分の余地が残ります。出発点は納付記録の確認です。ねんきん定期便かねんきんネットを開けば、これまで納めてきた月数がすぐ分かります。
5. 【まとめ】年金生活者支援給付金は3.2%の増額改定。要件の確認と請求手続きが受け取りの前提
2026年度の年金生活者支援給付金は前年度から3.2%の増額改定となり、老齢の基準額は月5620円になりました。障害は1級7025円・2級5620円、遺族は5620円で、いずれも6月支給分から新しい金額です。
老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、65歳以上で世帯全員が市町村民税非課税、前年の年金収入等が80万9000円以下という3つの要件を満たす方です。基準額を少し超えた方には、補足的老齢年金生活者支援給付金が用意されています。
受け取るには請求手続きが欠かせません。これから年金を請求する方には緑色の封筒、すでに受給中の方には薄緑色の封筒で請求書が届きます。心当たりのある方は郵便物を確かめ、判断に迷う点があれば年金事務所に相談してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
齊藤 慧
