9月になると、日本年金機構から色のついた封筒が届くことがあります。年金に関する郵便物は種類が多く、開けてみても何の手続きなのか分かりにくいと感じる方は少なくありません。
この封筒に入っているのは、年金生活者支援給付金の請求書です。日本年金機構は毎年9月の第1営業日から順次送付しており、封筒の色は対象者の区分によって緑・薄緑・薄橙の3種類に分かれています。
この記事では、3色の封筒がそれぞれ誰に届くものなのか、老齢年金生活者支援給付金の対象になる要件、そして令和8年度に受け取れる金額の目安を確認していきます。
- 9月に届く緑・薄緑・薄橙の封筒は、年金生活者支援給付金の請求書
- 封筒の色は対象者の区分で分かれ、中身はいずれもはがき型の請求書
- 令和8年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は月額5620円
1. 9月に届く「緑・薄緑・薄橙」の封筒は何の書類か
まずは、封筒の中身と色による区分から確認していきます。
1.1 中身ははがき型の請求書です
封筒に入っているのは、年金生活者支援給付金請求書と呼ばれるはがき型の書類です。目隠しシールが同封されており、必要事項を記入してシールを貼り、切手を貼って郵便ポストに投函する形で返送します。
日本年金機構によると、令和7年1月以降に請求書が届いた方は、郵送による提出のほかに電子申請を利用することもできます。
1.2 封筒の色で対象者が分かれます
封筒の色は、対象となる方の状況によって3種類に分かれています。
- 緑色:これから老齢年金の受給を開始する方
- 薄い緑色:すでに年金を受給中の方
- 薄い橙色:老齢基礎年金を繰上げ受給している方
色が違っても、中に入っているのは同じはがき型の請求書です。ただし同封される案内文の内容は区分ごとに変わりますので、色を確かめたうえで案内に目を通しておくと迷いにくくなります。
1.3 様式がA4サイズになるケースもあります
支給要件の確認が必要な方には、はがき型ではなくA4サイズの請求書と所得状況届が送られる場合があります。届いた書類の様式によって記入する内容が変わりますので、同封の記入例を見ながら進めてください。
2. 老齢年金生活者支援給付金の対象になるのはどんな人か
年金生活者支援給付金は、消費税率の引き上げ分を財源の一部として、所得の低い年金受給者の暮らしを支えるために設けられた制度です。ここでは老齢年金を受け取っている方が対象となる、老齢年金生活者支援給付金の要件を見ていきます。
2.1 3つの要件をすべて満たす方が対象
老齢年金生活者支援給付金を受け取れるのは、次の3つをすべて満たす方です。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受けていること
- 請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっていること
- 前年の年金収入金額とその他の所得の合計が基準額以下であること
3つ目の基準額は、生年月日によって分かれます。昭和31年4月2日以後生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下です。
ここで判定に使われるのは老齢年金などの課税対象となる収入であり、障害年金や遺族年金といった非課税の収入は含まれません。
2.2 基準額をわずかに超える場合は補足的老齢年金生活者支援給付金
所得が基準額をわずかに超えたことで給付を受けられなくなると、基準額ぎりぎりで対象となった方との間に逆転が生じてしまいます。これを避けるために設けられているのが、補足的老齢年金生活者支援給付金です。
昭和31年4月2日以後生まれの方であれば、所得が80万9000円を超え90万9000円以下の範囲が対象です。昭和31年4月1日以前生まれの方は、80万6700円を超え90万6700円以下となります。
補足的老齢年金生活者支援給付金は、所得が増えるにつれて給付額が段階的に減っていく仕組みです。
3. 受け取れる金額と、振り込まれ方
給付額は一律ではなく、一人ひとりの保険料の納付状況に応じて計算されます。
3.1 令和8年度の基準額は月額5620円
老齢年金生活者支援給付金の給付額は、保険料納付済期間に応じた部分と、保険料免除期間に応じた部分を足し合わせて計算されます。
令和8年度の計算式は、保険料納付済期間に応じた部分が「5620円×保険料納付済期間÷480月」です。20歳から60歳まで480カ月すべて納めた方であれば、この部分だけで月額5620円となります。
たとえば納付済期間が360カ月であれば、5620円×360÷480で月額4215円という計算です。
3.2 保険料の免除期間がある方は上乗せに
保険料の全額免除や4分の3免除、半額免除を受けた期間がある方には、「1万1768円×保険料免除期間÷480月」が上乗せされます。4分の1免除の期間については5884円で計算されます。
免除期間分の単価は納付済期間分よりも高く設定されているため、免除を受けていた期間があることで給付額が下がるわけではありません。
3.3 年金とは別の入金として振り込まれます
年金生活者支援給付金は、年金と同じく偶数月の15日に、その前月までの2カ月分がまとめて支払われます。15日が土日祝日にあたる場合は、直前の金融機関営業日です。
振込先は年金と同じ口座ですが、年金とは別の入金として処理されます。通帳には2件の振り込みが並ぶことになります。
銀行の窓口では、通帳に見慣れない入金があるという相談を何度も受けてきました。年金生活者支援給付金は年金とは別の入金として記帳されるため、まずは封筒の色と同封の案内を確かめ、手続きが済んだあとは通帳で入金を確認しておくと安心です。


