「保険料を免除してもらった期間が長いと、将来受け取れるお金は少なくなる一方だ」——そんなイメージを持っている方は多いかもしれません。

ですが、年金に上乗せして受け取れる「年金生活者支援給付金」に限っていえば、そうともかぎりません。免除期間の長さによって、給付金の額がむしろ増えるケースがあるのです。

この記事では、年金生活者支援給付金の対象条件と2026年度の給付基準額を確認したうえで、「国民年金40年間のうち10年間だけ保険料を納付し、残りの30年間は全額免除だった場合」を例に、実際の給付額を計算してご紹介します。

※この記事では一部、以下の記事を引用しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
ココがポイント
  • 2026年度の給付基準額は月5620円(前年度比+3.2%)
  • 老齢年金生活者支援給付金は納付済期間と免除期間の合計で計算
  • 10年納付・30年全額免除の場合は月1万231円で、満額納付(月5620円)より多い

1. 年金生活者支援給付金とは?年金に上乗せされる仕組み

年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入やその他の所得が一定基準に満たない年金受給者を支えるための制度です。

一度きりの給付ではなく、要件を満たしている間は年金に上乗せして2カ月に1回のペースで継続的に支給されます。

受け取っている基礎年金の種類によって、次の3種類に分かれます。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

この記事では、「老齢年金生活者支援給付金」について詳しく解説していきます。

2. 老齢年金生活者支援給付金の対象になる人の条件

年金生活者支援給付金制度について2/6

年金生活者支援給付金制度について

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

老齢年金生活者支援給付金は、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)の合計額が、昭和31年4月2日以後生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下

単身でなくても、同居する家族に課税所得のある方が1人でもいると対象外になるため、世帯全員の課税状況を確認しておく必要があります。

なお、この所得の判定には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。

また、基準額をわずかに超えて対象外となる方との間で不公平感が生まれないよう、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という仕組みも用意されています。

対象となるのは、昭和31年4月2日以後生まれの方で80万9000円を超え90万9000円以下の方、昭和31年4月1日以前生まれの方で80万6700円を超え90万6700円以下の方です。

和田 直子
「世帯全員が市町村民税非課税」という条件は見落としがちなポイントです。もし収入の基準をわずかに超えて対象外になってしまった場合でも、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という仕組みがあります。あきらめる前に、ご自身が当てはまらないか確認してみてください。

3. 老齢年金生活者支援給付金はいくらもらえる?2026年度の給付基準額

年金生活者支援給付金の額は、公的年金と同じく前年の物価変動率に応じて毎年度見直されます。

2026年度の給付基準額は、前年度比+3.2%の月5620円です。

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円

ただし老齢年金生活者支援給付金は、この基準額がそのまま支給されるわけではありません。

保険料の納付済期間や免除期間をもとに、実際の給付額が個別に計算されます。