誕生月に届く「ねんきん定期便」。忙しくてつい後回しにしてしまう方も多いかもしれませんが、50歳を過ぎたら開封して中身を確認することをおすすめします。
50歳未満と50歳以上では、定期便に記載される「年金見込額」の意味が違います。50歳以上に届く定期便には、現在の加入状況を60歳まで続けた場合の「将来の受給見込額」が記載されており、老後の家計設計の基準になる資料です。
この記事では9月誕生日を迎える方に向けて、50歳代がねんきん定期便でチェックすべき3項目と、その活かし方を整理します。
この記事では、以下の記事の内容も引用・参考にしています。
- 50歳以上のねんきん定期便には「60歳まで加入継続時の年金見込額」が記載される
- チェックすべきは①老齢年金の見込額、②加入月数の不足、③加入記録の抜けの3項目
- 記録漏れがあれば年金事務所へ照会、任意加入や繰下げで受給額を上乗せする選択肢もある
1. 50歳未満と50歳以上、ねんきん定期便の違い
まずは、年齢による定期便の記載内容の違いを確認します。
1.1 50歳未満に届く定期便:これまでの加入実績のみ
50歳未満のねんきん定期便には、その時点までの加入実績に応じた年金見込額が記載されます。「これまで加入した分」だけの試算で、今後の加入分は含まれません。
これから加入する期間が長い若い層にとっては、実額の目安というよりは「現時点の記録が正しく反映されているか」を確認する意味合いが強い書類です。
1.2 50歳以上に届く定期便:現在の加入継続時の見込額
50歳以上に届くねんきん定期便には、現在の加入状況を60歳まで続けた場合の年金見込額が記載されます。65歳から受け取る老齢基礎年金・老齢厚生年金の月額が具体的に示されるため、老後の家計設計に直結する情報です。
また、35歳・45歳・59歳の節目年齢では通常の圧着はがきではなく「水色の封筒」で届き、加入記録の全期間が同封されます。特に59歳のときの水色封筒は、60歳到達前の最終確認資料として重要です。
2. 50歳代がねんきん定期便でチェックすべき3項目
50歳代のねんきん定期便で、必ず確認したい項目を3つに絞って整理します。
2.1 ①老齢年金の見込額|生活費との差を試算
65歳から受け取る老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計月額を確認します。今のシニアが受け取っている平均額は、次のとおりです。
- 厚生年金加入者(会社員として長期勤務):月15万円台
- 国民年金のみ(自営業・第3号被保険者):月6万円前後
この金額と、老後の想定生活費(単身高齢者で月14〜15万円、夫婦世帯で月26〜30万円)を比べて、不足がどれくらいかを試算します。
2.2 ②加入月数の不足|40年満期に何月足りない?
老齢基礎年金の満額は、20歳から60歳までの40年(480月)を全て保険料納付済期間で埋めた場合に受け取れます。定期便で加入月数を確認し、480月に届かない月数を把握します。
学生時代の未納期間、退職後の未加入期間、免除期間などがあると、その分だけ満額から減額されます。不足が大きければ、60歳から65歳までの任意加入で埋めるという選択肢もあります。
2.3 ③加入記録の抜け|過去の勤務先はすべて記載されているか
加入記録の欄には、過去の勤務先と加入期間がすべて記載されているはずです。転職時の手続き漏れや、旧姓時代の記録がうまく統合されていないケースもあります。
見当たらない記録がある場合は、年金事務所へ照会します。記録訂正で加入期間が復活すれば、そのぶん年金額が増えます。
3. ねんきん定期便でわかること・わからないこと
ねんきん定期便は便利な資料ですが、書かれていない情報もあります。
3.1 書かれていること
50歳以上のねんきん定期便には、以下が記載されています。
- 老齢年金の見込額(65歳受給スタート)
- 加入期間・加入月数の合計
- 過去1年間の保険料納付額
- これまでの加入記録
3.2 書かれていないこと
逆に、次の情報はねんきん定期便からは直接わかりません。
- 繰上げ・繰下げ受給時の金額シミュレーション
- 働き方(在職老齢年金)の停止額シミュレーション
- 加給年金・振替加算などの家族関連加算
これらは日本年金機構の「ねんきんネット」で詳細シミュレーションが可能です。定期便を入り口に、ねんきんネットで深掘りする流れが実践的です。
気軽に年金額を確認するなら、圧倒的にねんきん定期便がおすすめです。届いた封書を確認するだけなので、今まで興味がなかったという方も一度確認してみてください。
記事に書いたとおり、詳細なシミュレーションなどをしたい場合はねんきんネットがおすすめです。ログインの手間はありますが、今はマイナポータル経由でも利用できるようになりました。
加入期間など、意外に漏れがあるものです。必ず確認しておきましょう。「もし転職して年収がアップしたら、年金はいくらあがる?」などのシミュレーションをしてみるのも楽しいですよ。



