9月に入ると、日本年金機構からの郵便物が増えます。封筒やはがきを手に取っても、自分に関係のあるものかどうか判断しづらく、そのまま置いてしまうことがあるでしょう。

年金生活者支援給付金制度では、新たに対象となる可能性のある人に対して、9月の第1営業日から「請求書(はがき型)」が順次送られます。一方、すでに受け取っている人には、12月上旬に継続判定の結果を知らせる通知書が届くことがあります。

この記事では、2通の郵便物がそれぞれ誰に届くのか、そして届いたあとに何が起きるのかを、元自治体職員の筆者の視点から確認します。

ココがポイント
  • 9月の第1営業日から、新たに対象となる可能性のある人へ「請求書(はがき型)」が順次送られる
  • すでに受給している人には12月上旬に通知書が届き、12月15日の支給分(10月分と11月分)から新しい判定が反映される
  • 一度支給が止まると、翌年また要件を満たしても「あらためて請求の手続き」が必要になる

1. 年金生活者支援給付金の「請求書」が9月に届くのはどんな人か

年金生活者支援給付金は、基礎年金に上乗せして支給される制度です。まず、9月と12月に届く郵便物の関係を、時系列で見ていきましょう。

令和8年度の年金生活者支援給付金のスケジュール1/2

令和8年度の年金生活者支援給付金のスケジュール。2026年9月に請求書、12月上旬に通知書、12月15日に10月分と11月分が支給される流れを示した図

出所:LIMO編集部作成

1.1 送られてくるのは「新たに給付金対象となる可能性のある人」

日本年金機構は、基礎年金を受給している人のうち、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる人に対して、請求書(はがき型)を毎年9月の第1営業日から順次送付しています。

つまり、この請求書はすでに受給している人には届きません。今回はじめて対象になった可能性がある人に向けた案内です。

手続きは、はがきに必要事項を記入し、同封されている目隠しシールを貼ったうえで、切手を貼って投函するだけで完了します。年金事務所へ出向く必要はありません。

1.2 提出が遅れると、さかのぼれない月が出ます

気をつけたいのは、提出のタイミングによって受け取れる月数が変わる点です。原則として、手続きをした月の翌月分から支給の対象になります。

ただし、はがきに記載された期日までに提出すれば、10月分にさかのぼって受け取れる扱いがあります。令和7年度の案内では、令和8年1月5日までに請求書が届かなかった場合、令和8年2月分以降からの支払いとなり、令和7年10月分から令和8年1月分までは受け取れないと説明されていました。

令和8年度の期日は、届いたはがきに記載されているものを確認してください。数カ月分の差になるため、届いたら早めに投函しておくと安心です。

2. 年金生活者支援給付金の「不該当通知書」が12月に届くのはどんな人か

すでに受給している人に届く可能性があるのは、請求書ではなく通知書です。ここからは、12月に届く郵便物について解説します。

2.1 12月上旬に届く2種類の通知書

年金生活者支援給付金を受給している人は、毎年10月分から、前年の所得情報にもとづいて自動的に継続支給の判定が行われます。翌年以降に自分で手続きをする必要は、原則としてありません。

その判定結果は、12月上旬に郵送で知らされます。支給金額が変わる人には「支給金額変更通知書」が、要件を満たさなくなった人には「不該当通知書」が届きます。

令和7年度は、これらの通知書が令和7年12月5日に送付されました。令和8年度も同じころに届くと考えてよいでしょう。

2.2 12月の支給分は10月分と11月分の2カ月分

年金生活者支援給付金は、年金と同じく原則として偶数月の15日に、年金とは別途支払われます。15日が土曜日、日曜日または祝日のときは、その直前の金融機関の営業日に繰り上がります。

支払月には前月までの2カ月分がまとめて支払われるため、12月には10月分と11月分が支給されます。つまり、12月15日の支給日が、新しい判定が反映される最初のタイミングです。

継続と判定された人はそのまま受け取れますが、不該当となった人はこの2カ月分から支給が止まります。金額の変化に気づくのは通帳を見たときになりがちなので、12月上旬の通知書は開封しておきたいところです。

2.3 12月に何も届かない人もいます

ここまで見てきたとおり、12月に送られるのは、支給金額が変わる人への「支給金額変更通知書」と、要件を満たさなくなった人への「不該当通知書」です。裏を返すと、継続して受給でき、なおかつ支給金額にも変更がない人には、12月に何も届かないことになります。

郵便物がないと不安になりますが、この場合は判定に問題がなかったサインだと受け止めてよいでしょう。支給金額そのものは、毎年6月に届く「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」で確認できます。

この6月の改定通知書は、12月の通知書とは扱いが違い、支給金額に変更がなかった人にも送られます。金額を確かめたいときは、こちらを手元に置いておくと役に立ちます。

また、9月に請求書を出したばかりの人も、12月の通知書の対象ではありません。審査を経て支給が決まった時点で、別の通知が届く流れになっています。

そして、そもそも対象になっていない人には、対象外であることを知らせる郵便物も届きません。何も届かない理由が判断できないときは、通帳の入金記録を確かめたうえで、年金事務所や給付金専用ダイヤルに問い合わせてみてください。

3. 年金生活者支援給付金が一度止まると「あらためて請求の手続き」が必要になります

不該当通知書が届いたとき、多くの人が気になるのは「翌年また要件を満たせば、自動的に戻るのか」という点だと思います。ここが今回いちばんお伝えしたい部分です。

年金生活者支援給付金の継続判定の分岐図2/2

年金生活者支援給付金の継続判定の分岐図。要件を満たしていれば支給金額変更通知書が届き手続き不要で継続、満たさなくなると不該当通知書が届いて支給が止まり、再開にはあらためて請求の手続きが必要となる流れを示した図

出所:LIMO編集部作成

3.1 継続は自動でも、復活は自動ではありません

日本年金機構は、この点について次のように説明しています。

「支給要件を満たさなくなったことにより、年金生活者支援給付金を受け取ることができなくなった方が、その後、再び支給要件を満たしたことにより年金生活者支援給付金の支給を受けようとする場合は、あらためて請求の手続きが必要となります」

受給が続いている間は手続きが不要なので、継続と同じ感覚で再開も自動だと考えてしまいがちです。しかし、いったん途切れると扱いが変わります。

不該当通知書は「今年は対象外です」という連絡であると同時に、「次に対象へ戻るときは自分で請求してください」という意味も持っている、と受け止めておくとよいと思います。

3.2 令和8年度の基準額と所得の目安

老齢年金生活者支援給付金の支給要件は3つあります。65歳以上で老齢基礎年金を受けていること、請求する本人と同一世帯の全員が市町村民税非課税であること、そして前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が基準額以下であることです。

令和8年度の基準額は、昭和31年4月2日以後生まれの人で「80万9000円」以下です。これを超えても「90万9000円」以下であれば、補足的老齢年金生活者支援給付金として減額調整された額を受け取れます。昭和31年4月1日以前生まれの人は、それぞれ80万6700円、90万6700円が基準です。

給付額は、保険料納付済期間分が月「5620円」を基準に計算され、全額免除期間分は月「1万1768円」を基準に計算されます。納付済期間と免除期間の組み合わせによって、実際の金額は一人ひとり異なります。

なお、老齢のほかに障害・遺族の給付金もあり、それぞれ要件や金額が異なります。制度全体の仕組みや3種類の違いについては、年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説で詳しく解説しています。

太田 彩子

自治体で住民税の課税情報を参照しながら保険料を計算していた立場から見ると、「世帯全員が非課税かどうか」は、本人の努力だけでは決まらない項目です。通知書が届いたら、まず自分と同居している家族の課税状況を確認するところから始めてみてください。