AI向け半導体の話題が続くなか、その検査を担う装置メーカーの決算は右肩上がり、と身構える人も多いだろう。だがレーザーテック(6920)の2026年6月期は、減収減益で着地した。一方で、将来の売上につながる受注高は倍以上に回復している。株価は直近1カ月で大きく水準を下げ、値動きの荒さが際立つ。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

この記事の3つのポイント

  •  ①2026年6月期通期は売上高▲8.3%、営業利益▲14.3%、当期純利益▲8.5%の減収減益となった。
  •  ②一方で受注高は前期比+125.7%と急回復し、受注残高は3,229億円。来期は増収増益を見込む。
  •  ③株価は直近1カ月で2割強下げ、決算翌日に急落した。PER・PBRは直近時点で38.7倍・14.1倍と高い水準にある。

1カ月で2割強下落、荒い値動きが続く株価

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

レーザーテックの株価は直近1カ月で大きく下げた。7月中旬の49,690円台から、8月14日の終値は38,820円まで下落している。1カ月で2割強の下げだ。

期間中の振れ幅も大きい。7月末には33,620円まで下げる場面があり、その後4万円台後半へ戻すなど、荒い値動きが続いた。8月6日の取引終了後に伝わった2026年6月期の決算を受け、翌営業日には43,330円から37,460円へと急落している。

PER・PBRは直近時点で38.7倍・14.1倍。いずれも電気機器の一般的な水準より大きく高い。高い成長期待が株価に織り込まれているぶん、期待と実績のわずかな差でも値動きが大きくなりやすいと考えられる。

減収減益の通期、なぜ売上は減ったのか

2026年6月期通期は、売上高2,304億円で前年同期比▲8.3%。営業利益は1,052億円で▲14.3%、経常利益は1,078億円で▲9.7%、当期純利益は774億円で▲8.5%と、主要な利益がそろって前年を下回った。長く続いた増収増益の流れが、いったん途切れた期だ。

会社の説明によれば、売上の減少は前期の受注高の影響によるものだという。装置ビジネスは受注から売上計上までに時間がかかるため、過去の受注の谷が、当期の売上に遅れて表れた格好だ。品目別でも、主力の半導体関連装置が1割台後半の減収となっている。

一方で、来期(2027年6月期)の会社予想は、売上高2,900億円(+25.8%)、営業利益1,250億円(+18.8%)と、一転して大幅な増収増益を見込む。谷を越えて再び伸びる、という会社の見立てだ。

筆者コメント

AI半導体の代表格という印象からすると、減収減益の決算は意外に映るかもしれない。だが装置ビジネスでは、受注と売上の間に時間差があるのが常だ。

今期の売上減は、過去の受注の谷が遅れて表れたものと会社は説明している。目先の減益だけを取り出して評価するのは早いだろう。

株価の荒さに惑わされず、売上の数字の裏にある受注の流れに目を向けたい局面だ。