猛暑が続くなか、夏休みの行事や日々の忙しさに追われる8月は、「投資にあまり手間や時間をかけたくない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

新NISAで投資を始めたいものの、「毎日値動きを確認するのは大変」「売買のタイミングが分からない」と感じている人もいるでしょう。

新NISAのつみたて投資枠では、あらかじめ金額や購入日を設定し、投資信託を自動的に買い続けることができるため、頻繁に売買しない「ほったらかし投資」と相性がよい方法といえます。

ただし、投資には元本割れの可能性があり、積立設定後に完全に放置してよいわけではありません。

商品選びや積立額を誤ると、相場の下落時に投資を続けられなくなることもあります。

本記事では、新NISAの基本的な仕組みと、初心者がほったらかし投資を長く続けるための3つのポイントを解説します。

ココがポイント
  • 新NISAとほったらかし投資の特徴: 新NISA(年間枠最大360万円、非課税限度額1800万円)のつみたて投資枠は自動購入が可能で、頻繁な売買を行わない長期・積立・分散投資と相性が良い手法です。
  • 長期運用による複利効果: 毎月3万円を年利3%で運用した場合、10年で418万円(収益58万円)、30年で1736万円(収益656万円)となり、運用期間が長いほど複利効果が拡大します。
  • 失敗を防ぐ3つの継続ポイント: 投資は余剰資金で始めること、信託報酬などのコストや投資先を事前に確認すること、環境変化に合わせて定期的に見直すことが重要です。

1. そもそも新NISAとは?

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NISAの非課税の仕組み

出所:金融庁「NISAを知る」

NISAは、株式や投資信託などへの投資から得た売却益や配当、分配金が非課税になる制度です。

通常、投資で得た利益には税金がかかりますが、NISA口座で購入した対象商品から得た利益には課税されません。

2024年から始まった新しいNISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。

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NISAの投資枠

出所:金融庁「NISAを知る」

年間投資枠は合計360万円、非課税保有限度額は合計1800万円です。

このうち、成長投資枠で利用できるのは1200万円までで、つみたて投資枠だけで1800万円の限度額を使うこともできます。

非課税で保有できる期間に期限はなく、保有商品を売却した場合は、売却商品の取得価額に相当する非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。

なお、つみたて投資枠の対象は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託等に限定されています。

2. 「新NISA×ほったらかし投資」とは?

「ほったらかし投資」は、新NISAの正式な制度名や投資手法ではありません。

一般的には、最初に投資する商品や金額を決めて自動積立を設定し、その後は日々の値動きに合わせて頻繁に売買しない運用方法を指します。

そのため、ほったらかし投資と「長期・積立・分散投資」は、まったく同じ意味ではありません。

ただし、長期・積立・分散を組み合わせることで、日々の売買判断や管理の手間を抑えながら資産形成を続けやすくなります。

ここからは、それぞれの視点から、ほったらかし投資のメリットを確認しましょう。

2.1 長期投資:日々の値動きに振り回されにくい

長期投資の効果3/6

長期投資の効果

出所:金融庁「資産形成の基本」

長期投資は、購入した商品を短期間で売買せず、長く保有する方法です。

毎日の値動きを見ながら売買時期を判断する手間を減らせるほか、運用で得た利益を再投資することで、複利の効果も期待できます。

ただし、長期間保有すれば必ず利益が出るわけではないため、運用目的や商品の内容は定期的に確認しましょう。

中本 智恵
長期投資のメリットを最大限生かすには「運用コストの低さ」と「分散投資」が欠かせません。保有期間が長くなるほど信託報酬などの手数料の差が大きな影響を与えるため、定期的な見直しの際はコスト面も併せて確認しましょう。

2.2 積立投資:購入のタイミングを毎回判断する手間を省ける

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積立投資の仕組み

出所:金融庁「資産形成の基本」

積立投資は、あらかじめ決めた金額を定期的に投資する方法です。

自動積立を設定すれば、毎回自分で注文したり、購入時期を判断したりする手間が省けます。

また、価格が高いときは少なく、安いときは多く購入するため、購入時期を分散できます。

2.3 分散投資:一つの投資先に集中するリスクを抑えやすい

分散投資の効果5/6

分散投資の効果

出所:金融庁「資産形成の基本」

分散投資は、投資先を複数の資産や国・地域などに分ける方法です。

一つの投資先が値下がりしても、ほかの資産の値動きによって影響を抑えられる可能性があります。

幅広い企業や地域に投資する投資信託を選べば、複数の商品を個別に管理する手間も減らせます。

ただし、商品の投資先が重複していないか確認が必要です。

中本 智恵
「複数のファンドを買っているから安心」と思っていても、銘柄を確認するとどちらも「米国の主要IT企業」が上位を占めているケースは少なくありません。購入時はファンド名だけで判断せず、組入上位銘柄や国・地域の比率まで確認することが真の分散への第一歩です。